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敵に塩を売る?「義」を重んじた上杉謙信の人間性から現代に活かせるヒントを学ぶ

上杉謙信といえば、戦国時代に越後国(現在の新潟県上越市)を治めていた大名だが、勇猛果敢な姿から越後の龍や軍神と称され、武田信玄のライバルとしても有名な人物である。

謙信が故郷に与えた功績は多く、内乱が続く越後を統制し、産業を振興して国を繁栄させた。なかでも、越中一向一揆は謙信なしでは語れない偉大な功績と言える。

また、隣国や同盟国から救援を求められると、躊躇なく出陣する男気あふれる武将でもあった。49年という短い生涯だったが、武田信玄や北条氏康、織田信長や能登畠山氏など、有力な武将と合戦を繰り広げている。

自らを毘沙門天の生まれ変わりと信じていたと謙信は「義」を重んじた人格者としても知られ、上越市ゆかりの人物として今なお敬愛する歴史ファンも多い。
表向きは淡々と物事を決断する冷静沈着な男であるが、その反面、義理や人情を大切にする人間味あふれる一面もあった謙信。

今回は、そんな謙信にまつわるエピソードから人間関係やビジネスシーンに活かせるヒントを考察してみたいと思う。

相手の立場を尊重する

軍神(戦の鬼)と恐れられ冷酷な武将と恐れられた彼も、実は情にもろく、人としての生き方を誰よりも深く考えていた人物と言えるだろう。
謙信を語るうえで必ず登場する人物が武田信玄である。
11年におよび5度も決戦を繰り広げた川中島の戦いは、決戦での勝敗がつかず信玄の病死で幕切れとなる。
食事中に信玄が病死したことを聞いた謙信は、「良きライバルを失ってしまった。この世に信玄ほどの英雄はいない」と嘆き、お椀を落とし号泣したという。
そして家臣が、「信玄が亡き今こそ武田家を攻めるチャンス」と言うと、「残された息子(勝頼)を相手に、そんな大人げない考えは捨てなさい」と注意している。

人の落ち目を見て攻め取るは、本意ならぬことなり
参考:名将言行録より

信玄が亡き今、武田家は弱体化している。そんな相手をさらに追い詰めるような行為は非道徳と言い、それ以後、武田家へ攻め入ることは一切しなかったのである。
さらに謙信は、信玄の死から3日間は音楽や娯楽などを禁ずるように部下へと命じ、静かに喪に服したとのこと。
川中島で5度も戦い永遠のライバルだった謙信と信玄。宿敵であったと同時に、謙信のなかで信玄は最も尊敬できる人物だったのかもしれない。

ライバルが困っているときこそ神対応を

信玄が北条氏や今川家と対立して経済的な攻撃を受けていた頃、信玄の領地である山梨では塩が足りなくなり住民が困り果てていた。
信玄が駿河国(静岡)に侵略したとき、今川氏真が北条氏康と共謀して武田の領国へ塩の輸送を全面禁止したことが原因である。

甲斐は山に囲まれた領土のため、塩が取れず塩がなければ死活問題だった。
その知らせは謙信にも届き、「君とは戦で決着をつけたい」と信玄に手紙を送り、それにあわせて塩も届けたという美談が有名である。まさに、神対応である。

我は兵を以て戦ひを決せん。塩を以て敵を屈せしむる事をせじ。
(私は戦いで勝敗をつける。塩で敵を窮地に追いやるようなことはしない)

参考:武将感状記より

だが、謙信は頭がキレる。ただ単に塩を送ったわけではない。塩を送るという名目で実際には塩を売り、自国の資金を増やしたという説が有力である。
いずれにしても曲がったことが嫌いだった謙信。姑息な手段や非道徳な考えを嫌った彼ならではの配慮だったと言えるだろう。

謙信と信玄を現代のビジネスシーンで比べると

ビジネスシーンで例えるなら、謙信と信玄では人間性が決定的に異なる。謙信の場合、行動を起こすうえで利益よりも大義名分を重視する性格である。
これに対して信玄は、とにかく利益を優先した人物。
たとえば、他社にヘッドハンティングしたい人材がいるときも、利益を交渉の材料にすることが多かった。

なぜなら、信玄は甲州で発掘される純金が資金源であり、経済的に潤っていたのだ。
上杉家の武将連中をヘッドハンティングしたときも、純金をエサに武田家へ寝返らせている。

しかし、その武将を金で釣って寝返らせたとしても、その武将の部下たちには不満や不信感が残る。
「金で謙信を裏切るって、うちの大将やばくない?」そう思う部下もいるだろう。

そうなってしまえば組織の統制に乱れが生じ、部下が離れていき組織崩壊を引き起こすかもしれない。
利益の本質は「誰かが得をすれば誰かが損をする」これがセオリー。
利益をエサにしてセールスを進める場合には、「誰が・どのように得をして」、「誰が・どのように損をするのか」、関わる人たちのことを忘れてはいけないのである。

得をするのは・・・寝返る武将と信玄
損をするのは・・・謙信と寝返る武将の部下たち

ビジネスで大義名分は必要か?

利益で物事を掌握する信玄に対し、「義」を重んじたのが謙信だった。
行動を起こすときは世の中や社会性を考えて行動を起こす。信玄に塩を売ったときも道徳性を重視している。

塩を売れば山梨の人たちが助かる、自国の利益にもなって筋が通っている、
そう考えたからに違いないだろう。つまり、大義名分がなければ納得しない男、それが謙信だ。

仲間の意思を統制するときも、「正義」を重んじて団結を促す場面が多い。人のため、世の中のため、そういったコンセプトを打ち立て大義名分で部下の「想い」を統一している。

「自分たちは良い行いをしている」これこそが、謙信の精神であった。利益は生じないが、現場を活性させることで利益を生み出す根源を強化するのだ。
「社長しか儲からない」といった不平不満を生むのではなく、「みんなで儲かろう」と部下の行動意欲を掻き立てるのが上手かったと言える。

現代にも活かせるヒントとは?

これは、現代のビジネスシーンにおいても共通するものがある。自社の利益だけを優先しても商売は長続きしない。

ユーザーや取引先がいる以上、社会性や地域貢献、起業の理念や道徳性が問われるからだ。
ビジネスを通して人と人とが繋がるとき、利益ばかりでなく社会性や道徳性といった信用が関わることも忘れてはいけない。

損得勘定は十人十色。
利益で心が動く人もいれば、大義名分で心を動かされる人もいる。もちろんベストなのは、互いの利益と大義名分を満たしている場合だ。

ビジネスやセールスはバランスが必要不可欠。
交渉も同じく、自分の言い分と相手のメリットがマッチしなければ成立しない。

謙信の生き方や考え方から人間性を考察すると、大義名分を重視しつつ利益を保全できる硬派なビジネスマンであったことがわかる。
自分の仕事が誰の、または何の役に立っているのか、ときには考えてみるのも悪くないだろう。
大義名分とまで言わなくても、情熱を見つけるきっかけになるかもしれない。

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