それは、心を映し出す鏡か? 謎だらけの枯山水…京都を代表する寺院・龍安寺の魅力。
京都の観光名所といえば?
金閣寺、銀閣寺、哲学の道などが挙げられるが、是非ともオススメしたいのが『龍安寺(りょうあんじ)』である。
ユネスコ世界遺産にも登録されており、日本を代表する寺院のひとつだ。
最も有名なのが、龍安寺の”石庭”。作者不詳・配置意図不明と謎だらけの国特別名勝。
それだけでもワクワクするが、白砂が敷き詰められた見事な枯山水に息を呑むだろう。
今回はそんな龍安寺の見所をご紹介。
今夏、旅行で京都を訪れるさいは是非とも足を運んで頂きたい!
室町時代に創建された、日本の誇り。
遡ること室町時代。
当時の有力者であった細川勝元が創建したのが『龍安寺』。
立派な境内や有名な石庭などからは、禅宗が盛んだった時代背景を物語る。
京都を代表する観光名所のひとつで、1975年にはエリザベス2世も公式訪問。
現在ではユネスコ世界遺産に登録されており、世界各国から観光客が訪れている。
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪化粧。
四季折々の風情を感じられる龍安寺には、1年中通っても飽きない魅力がある。
金閣寺、銀閣寺と共に、京都を訪れたさいは、是非共立ち寄りたいところだ。
作者不詳の石庭に込められた想いとは?
龍安寺といえば石庭。
日本を代表する枯山水の庭園は、日本人として一度は目にしておきたい。
幅25m×奥行き10m、およそ75坪の敷地に白砂を敷き詰められた枯山水。
その作者は未だに不明で、開山の義天玄詔、開基の細川勝元、室町幕府に仕えていた絵師・相阿弥などが挙げられているが、どれもはっきりとした確証は得られておらず、作者不詳の作品となっている。
また、枯山水の上に置かれた15個の石。
“5、2、3、2、3=計15″だが、この配置方法にも意味があると考えられている。
これにも諸説あるが、「母虎が3頭の子を連れて川を渡ろうとするとき、1頭の豹が現れ、母虎が目を離すと子の虎が食べられる。
川を渡るにはどうすればいいのか」という謎かけの答えが、この石組みの中にあるとされている。
そのほか、大海や雲海に浮かぶ島々を表している、中国故事を表現している、”心”の字を模っているなど、様々。
いずれにせよ、「自分の心を映し出す鏡」、つまり、「解釈は人それぞれ」であることに違いはないだろう。
浮かぶ睡蓮…それは、まるで極楽浄土。
境内の南半分を占める池、鏡容池(きょうようち)も見所のひとつ。
歴代の住職が丁寧に植栽を施したおかげで、5〜7月には美しい睡蓮の花が咲き乱れる。
その様は、まるで極楽浄土を見ているかのようだ。
平安時代には貴族が舟を浮かべて遊んだり、江戸時代中期には現代の旅行ガイドブックにあたる「都名所図会(みやこめいしょずえ)」で紹介されるなど、日本の歴史と共に歩んできた貴重な池なのだ。
石庭はもちろんだが、鏡容池を中心とする回遊式庭園もゆっくりと巡って頂きたい。
おわりに
龍安寺までは、京都駅や河原町などからバスで向かう。
もしも春・夏・秋の暖かい時期に訪れるなら、自転車を借りて、サイクリングがてら立ち寄るのもひとつだ。
金閣寺周辺で自転車に乗り、木辻通を抜けて龍安寺を鑑賞。
その後、きぬかけの路を抜けて嵐山方面に向かうこともできる。
基本的に下り坂なので、自然の香りや季節の風を気持ち良く感じられるはずだ。
今年の夏に京都を訪れる予定があるのなら、一度検討してはいかがだろうか。
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