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あのマッカーサー相手に“筋を通した”人物「白洲次郎」に学ぶ交渉術

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出典: Amazon

神戸の貿易商の家に生まれ、イギリス・ケンブリッジ大学を卒業。
180cmを超える長身で日本人離れした端整な顔だち――これだけならば“軟弱なお坊ちゃま”と言われても仕方がないが、この人物は太平洋戦争終結から半年も経たない昭和20年のクリスマスに、GHQ司令長官であるダグラス・マッカーサーをどなりつけた、という逸話を持つ。

その名は、白州次郎。
2009年にはNHKのドラマスペシャルで取り上げられ、俳優・伊勢谷友介が白洲役を演じ話題となった人物である。
関連する書籍が多数出版されるなど現代に名を残す男だ。

終戦で全てを失った日本は、GHQによって占領統治された。
主権を失い、誇りも失いかけていた日本人が多いなか、戦後日本の再建に向けて、当時外務大臣を務めていた吉田茂が白洲を呼び付け、GHQとの交渉窓口を努めるように命じたのだ。

交渉相手への、教養ある返答

白洲が常々口にし、己の行動指針として重視したのが「プリンシプル」だ。
日本語訳すれば、“原理原則”となるが、もう少し噛みくだけば「筋を通す」ということだ。
筋が通らないことには、まっ向から立ちむかう。
たとえその相手がGHQだったとしても。

GHQの中で特に白洲を扱い難い交渉相手として毛嫌いしていた人物に、民生局局長のコートニー・ホイットニーがいる。
ある日、ホイットニーが白洲に「あなたは本当に英語が上手ですな」と語り掛けた。
それに対する白洲の返答が揮っている。

閣下ももう少し練習したら、立派な英語になりますよ

ホイットニーは他意なく発言したのかもしれない。
だが、白洲の英語は、イギリス仕込みのブリティッシュイングリッシュだ。
アメリカ人だから英語が上手いと思うな、日本人にだって、お前達に負けない英語を話す人間はいるんだ、嘗めるな。
そんな白洲の気持ちが伝わってくる逸話だろう。

あらゆる場面で使える交渉テクニック

整った顔立ち、長身、頭脳明晰といった白洲だが、彼の持つ魅力はスペックだけではない。
身長がいくつだから、学力が高いから、TOEICが何点だから……当たり前だが、それだけでは人間の魅力につながらないのだ。
誰しも、相手の風貌や地位にひるむことなく、立ち向かっていかなければならない場面がいくつもあるだろう。
その時に、元々持ち合わせているスペックや能力だけではなく、返事の仕方ひとつでも風向きを変えられることがある。

例えば、好意を寄せている女性に容姿を褒められたとしよう。
ただの友人ならさほど喜びも大きくないかもしれない。
しかし、相手は好きな女だ。
嬉しくないはずがないだろう。
そんな時、あなたならどう反応するだろうか。
素直にありがとうと感謝を述べる? 照れてしまって、そんなことないよ、と言う?
どちらも、これから関係を築いていきたいのなら正解ではない。
 
ここでの正解は、相手を主体にして返答すること。
件の白洲の発言には、「嘗めるな」というような反骨的な精神が含まれていたかもしれないが、秀逸だったのは「閣下もこうだ」と相手の話にすり替えたことだ。

ここで「僕は英語を勉強したから」とか、「英語は勉強すればできるから」とか、相手以外を主体にしてしまった場合はこれほどまでのインパクトはなかっただろう。
しかし白洲は違った。
自身に振られた話であるのに、相手を主体に持っていき話を振り返している。

他人と会話をする機会は、意識していないものを含めるととてつもなく多い。
メール、電話、対面、あらゆる場面で問われるのは、発信力よりも返答力だ。
相手に何かを伝えられた時、どう返せば相手に刺さるのかを常に意識しておきたい。

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