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健康診断、あなたは大丈夫?…検査値「血糖値」ってそもそも何?

とかく面倒になりがちなものといえば、健康診断ではないだろうか?
つい最近行ったという人もいれば、何年も行っていないという人もいるだろう。

成人病が「生活習慣病」という名になって久しいが、ひとくくりにするには、病の種類はあまりにも多い。
その代表格である「糖尿病」を示唆するものが「血糖値」であるが、その数値の落とし穴をご存じだろうか?
他人ごと… ならいいのだが、若いからと言って安心はできない。
今回は、重要な健康のバロメーターである「血糖値」に迫ってみる。

血糖値とは?

「血糖値」とは、血液中の糖分(ブドウ糖)の量を示す値である。
1dl(1デシリットル)の血液に、何mgのブドウ糖が含まれているかを診る。
通常、血糖値は、炭水化物などの糖質を摂ると上がり、食後1~2時間をピークに下がっていく。
それをコントロールをしているのが、すい臓から分泌される「インスリン」である。
インスリンは、“血糖値を下げる唯一のホルモン”といわれ、ブドウ糖を全身の細胞に取り込んで、エネルギーに変えたり、貯蔵したり、細胞の増殖を促すなど、その役割は非常に大きい。

だが、過食などにより一気に多量の糖分が入ると、インスリンをどんどん分泌しようとするため、すい臓が疲労して、分泌が間に合わなくなる。
すると、糖は血液中に余ってしまい「高血糖」となる。
慢性的にブドウ糖過多の状態になると、血中のみならず、糖が尿にまであふれ出す。これが「糖尿病」である。
ただし、血糖値は低すぎてもいけない。
極端に糖質制限をしたりすると、脳や筋肉にエネルギーがいかず、意識障害などを引き起こすことがある。
血糖値の基準値は、「空腹時血糖」=70~109、「食後2時間血糖」=140(mg/dl)とされている。
このバロメーターは無視してはいけないのだ。

健康診断では分からない?「血糖値スパイク」

血糖値に異常があると分かれば、改善や治療に当たることができる。
しかし、「食後血糖値の上昇が非常に急激で、すぐに正常値に戻る」というケースが新たに判明した。
これを「食後高血糖(血糖値スパイク)」と呼び、若い世代に増えているという。
血糖値は変動するものだが、それが急激であれば、血液がドロドロになり血管にダメージを与える。
動脈硬化が起きやすくなり、知らないうちに血管が詰まり、“突然死”もあり得るという。
血糖値スパイクが厄介なのは、空腹時や普段の血糖値は正常であるため、見つけにくいのだ。

自宅でも血糖値のセルフチェックが可能

健康診断だけではアテにならない血糖値は、日頃のセルフチェックが大切になる。
病院に行かなくても、薬局で簡易検査薬の購入が可能だ。
「尿糖試験紙」というリトマス紙に尿を浸すだけのものがあり、安くて手軽。
また、「デジタル尿糖計」もあり、これは数値が分かるためより高性能だ。

「高血糖」を放置すれば、糖尿病から多くの血管の病気を招き、脳梗塞や腎臓病をはじめ、失明や足の切断に至るなど、全身のどこにでも合併症が起きる可能性がある。
厚労省によると、糖尿病は予備軍を含めると2,000万人を超え、日本人の5人に1人にのぼるとされる。
働く世代だからこそ、血糖値を測る習慣をオススメしたい。

血糖値を下げる4つの習慣

高血糖対策は、糖分が吸収される「スピード」を抑えることだ。
そのための大原則となる、食事と運動についてのポイントを押さえておこう。

1.朝食を抜かない

遅い夕食、飲んだ後の夜食などで朝に食欲がわかず、朝食抜きの習慣になっていないだろうか?
空腹の時間が長く、昼に大食いをすれば、食後血糖値の変動が急激になる。
血管へのリスクが高まる危険性については、先に述べた通りだ。
朝から脳や筋肉を冴えさせるために、頭を使うビジネスマンに朝食は必須といえよう。
時間がないなら、オールブランのシリアルや、バナナなどを利用しよう。

2.食べる順番は「ベジ・ファースト」で

血糖値を上げにくくするためには、食事の順番がとても大切になる。
朝食から毎食、「野菜」→「肉や魚」→「ご飯やパン」の順番を心がけるだけで、血糖値の急上昇を抑えるだけでなく、体脂肪も減らすことができる。
わかめなどの海藻や、きのこ類もなるべく摂取してほしい。
ごはんのお供には、糖質を包んでくれる納豆やとろろなどの“ネバネバ食材”をプラスすれば尚よい。

3.甘いものだけではない。脂質にも注意

血糖値を上げるのは、炭水化物や糖質の摂りすぎだけではない。
脂質の取り過ぎは肥満細胞を肥大させ、インスリンの働きが悪くなる(インスリン抵抗性)につながると言われている。
日本人に糖尿病が増えたのは、もともとアジア人は欧米人に比べてインスリンの分泌量が少ないとされているのに、食の欧米化が進んだことだ。
肉や揚げ物、こってり系などはやめられなくても、大量に食べないこと、偏らないことを心がけよう。

4.食後30分~2時間以内に軽く動く

ブドウ糖や脂質は、筋肉のエネルギーとして使われるため、食後に軽い運動をすると血糖値が下げる。
食後すぐの運動は心臓などに負担がかかるため、「食後30分以降の有酸素運動」を習慣にしよう。
筋トレなどの無酸素運動ではなく、有酸素運動により脂肪細胞が減ると、インスリン抵抗性も少なくなることがあげられている。
大げさな運動でなくてもよい。ランチの帰り道のウォーキングや、社内を歩いたり階段などでもいい。
とにかく食べてそのまま動かないのではなく、少しでもいいから筋肉を使おう。

おわりに

やれ何がいけない、これがいいなど、健康に関して耳タコのように言われている事柄には、相当する根拠がある。
女性の場合は感覚的に「健康=美容」の図式が思い浮かぶため、少しでも良いと思えば取り入れることが多いが、男性はとかく無頓着になりやすい。
だが男性だって、タフで肌ツヤがいいに越したことはない。

自ら招いた病は、あなたの時間や金銭、気力までもを奪い取っていく。
人の身体は優れた精密機械のようなもの。
ここは感情論より、血糖値のメカニズムに目を向けてみてはいかがだろうか。

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