人前に立つと頭が真っ白! 何としても克服したい“あがり症”の要因と対処法
人前で話すのが苦手……
混乱して言っていることが分からなくなる……
そんな、“あがり症”をコンプレックスに感じている人もいるのではないだろうか。
就職活動を皮切りに、社会に出てからというもの、私達は常に「コミュニケーションを積極的に」という責任感に苛まれている。
人と人が織りなす現在社会において、それは避けて通れない課題なのだろう。
しかし、どうしても人前に出ると緊張してしまい、本来の自分を出せない。
そんな悩みを抱えている人もいいはず。
今回は、“あがり症”に焦点をあてて、要因と克服方法をご紹介しようと思う。
あがり症の正体を知っておく。
人と話すと心拍数が上がる。
声が震え、手に汗が滲みでてくる。
……そんな困ったコンプレックス・あがり症だが、実は「脳が正常に働いている、人として当たり前の働き」だと知っていただろうか。
あがり症と話し方の専門家・新田祥子さんは、
人間の脳は生命維持のためのセキュリティ機能を備えています。
危険を察知したとき、とっさに体を避けますよね。
これは脳のセキュリティシステムが外敵から生命を守ろうとした結果です。
もちろん、それは精神面も同じです。
と語る。
例えば、大勢の前でスピーチをするとしよう。
そこで、人間は“好かれたい”、”有能であると評価されたい”、”重要であると認められたい”という、自尊心を守ろうとする。新田さんによれば、このとき、脳が自動的に反応する精神面のアラームこそ、あがり症の正体なのだそうだ(※)。
つまり、あがり症は人として当然の防衛反応。
その点は安心して頂きたいが、それにしても、厄介な存在であるのは変わりない。
以下からは、あがり症の克服方法をご紹介しよう。
克服方法1:何度も練習する。
あがり症は、誰にだって生じる。
人前でスピーチするとき、大事なプレゼンテーションをするとき。
緊張して、頭が真っ白になって、失敗したらどうしようと震えてしまう。
それは当たり前だし、避けて通れないのだ。
だとすれば、やはり練習するのが最も合理的な克服方法。
突然の対応でない限り、スピーチもプレゼンテーションも、決行する日が決まっているはず。
その前に、いかに練習したかが肝になる。
例えば、全世界の心を鷲掴みにした、スティーブ・ジョブズのプレゼンテーション。
様々なテクニックが組み込まれた戦略的な内容でも有名だが、彼は同時に人一倍の努力家でもあった。
スピーチの前に、何百時間というリハーサルを重ねたのだ。
何度も何度も練習を重ね、体に慣れさせる。そうして初めて、聴衆の熱意を煽る余裕が生まれる。
iPhoneやiMacを発表した感動のシーンは、そんな地道な努力の上に成り立っていたのだ。
もちろん、どんなに練習しても、本番で緊張するのは当たり前。
しかし、努力の成果は目に見えて表れるだろう。
克服方法2:気負いすぎない。
あがり症で悩んでいる人は、真面目な性格が多い。
上手く喋らないといけない、面白おかしく場を盛り上げなければならない。
そんなふうに、過度に気負ってしまう傾向にある。
まずは、深呼吸して、肩の力を抜いてみよう。
上手く喋れなかったとしても、誰かに迷惑をかけるわけじゃない。
面白おかしく場を盛り上げられなくても、それはそれで誰も気にしていない。
案外、人は人に無頓着だ。
あなたが思っているほど、いちいち細かいことを覚えてられるほど暇でもない。
開き直って、自然体の自分でいればいいのだ。
例えば、「話すスピードが遅すぎるのでは……?」と不安に感じる必要はない。
ゆっくりと話せばいいじゃないか。
そのほうが相手だって聞き取りやすい。
「面白い返しをしないと……」と変なプレッシャーを自分にかけなくていい。
あなたにはあなたのキャラクターがあり、変に気取ってしまうと、それが裏目に出て失敗する。
スピーチやプレゼンテーションなど、
日取りが決まっているものは練習が必要かもしれない。
しかし、人とのコミュニケーションはいつ発生するか分からない。
だからこそ、常に肩の力を抜いて、開き直って、自然体の自分でいよう。
その意識が体に慣れ、あがり症が次第に薄れていくことだろう。
おわりに
前述した通り、あがり症は誰もが行う防衛反応だ。
しかし、その度合いには注意したい。
例えば、人とコミュニケーションをするとき、胸がドキドキして息苦しくなったり、手足・体・声が震えたり、吐き気・めまいが起こったり……明らかに不健康な症状が出る場合、”社交不安障害”の疑いがある。
もちろん、症状が当てはまるからといって決めつけるられるほど簡単なものではない。
しかし、社会生活を営む上で、何らかの精神的負担を抱えているなら、専門医に相談するのが一番いいだろう。
自分だけで抱え込まず、周りにサポートを求めてほしい。