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日本人なら身につけておきたい『ご飯の作法』とは?…より豊かな食生活は主食から

普段から何気なく食べている白いご飯。
あまりにも当たり前すぎて見逃しがちだが、そこには正しい盛り付け方・食べ方といった『ご飯の作法』がある。
毎日食べる主食だからこそ守りたい、日本人ならではの作法。
より美味しく味わうために、より豊かな食生活を送るために、改めて見直したいご飯の作法を3つご紹介しよう。

ご飯の作法 その1:ご飯をよそう。

ご飯には、正しい”よそい方”がある。
いつも適当に炊飯器から茶碗に移している方がほとんどだと思うが、ちゃんとご飯をよそうことで、見た目の美しさはさることながら、美味しさも倍増する。
和食は「目で食べる料理」と言われるが、主食のご飯にこそ、その装いに一層のこだわりを持ちたい。

ご飯のよそい方 5ステップ

1.炊き上がったご飯をそこから返すように混ぜ、米と米の間に空気を入れる。

ご飯のよそい方は、炊飯器で炊き上げた時点から始まる。
炊き上がったばかりのご飯を、炊飯器の底から返すように混ぜることで、米と米の間に空気が入る。
そうすることで、お米がふんわりとする。
炊き上がったまま放っておくと、硬くなってしまうので注意しよう。
 

2.しゃもじに水をさっとくぐらせる。

3.ご飯をそっとすくい上げ、しゃもじを返すようにして茶碗によそう。

この時点で、よそうご飯の量は茶碗の5~6分目。
1度に全部よそってしまうのは、「仏壇に供えるご飯が1回よそい」という観点からも、あまりよくない。
 

4.茶碗の8分目くらいまでご飯をよそう。

5.しゃもじを少し立てるように使い、三角山(中央が盛り上がる)ように整える。

1度にたくさんのご飯をよそうのはマナーに反する。
また、そのほうが食べる量を少なく済ませられるので、ダイエット中の方にもオススメである。
よそい方の要は、最後の整え方だ。
平にベタッとよそうのは、美味しそうにみえない。
ご飯を押し付けないように気をつけながら、中央を少し盛り上げるように整えよう。
奥さんや彼女と是非とも共有したいマナーである。
 

ご飯の作法 その2:ご飯を食べる。

ご飯の食べ方は、お箸の使い方に準ずる。
茶碗を左手(右手)に持ち、お箸の先端1.5〜3㎝を使い、少量ずつすくい上げて、口に運ぶ。
ガツガツとかっこむ食べ方は元気があって良いが、マナー違反なので気をつけよう。
また、ご飯は手前から食べるのが基本。
あちこち食べ散らかすのではなく、手前から奥へ向かって食べていく。
ご飯の上に”おかず”を乗せて、取り皿代わりにするのもNGだ。

ちなみに、お茶漬けの正しい食べ方をご存知だろうか。
「茶碗に口をつける」「音を立てて食べる」ことは、基本的にマナー違反だと言われているが、お茶漬けに関してはどちらもOK。
茶碗を持ち上げ、縁に口先を軽くつけ、お箸を使ってさらさらと口の中にかき込む。
お漬物をポリポリとかじり、お茶漬けに戻り、さらさらと頂く。
ここで全く音を立てないのは、逆に無粋というもの。
ズルズルと変な音を立ててないように、さらさらと少しずつ口の中にかき込もう。

それでは、洋食レストランで出される平皿ライスの食べ方はどうか。
ここに明確なマナー・ルールはなく、あなたの食べやすい方法を選択すればいい。
一般的には、ナイフを使ってご飯をフォークの背に乗せて食べる方法だが、あまりにも食べにくい。
右手にフォークを持ち替えるか、許されるならお箸を別に頼もう。
いずれにせよ、無理なくスマートに食事を楽しむことを心がければ問題はない。

ご飯の作法 その3:ご飯茶碗を選ぶ。

ご飯なのに、なぜ茶碗?
そんな疑問を抱いている方のため、少しだけご飯茶碗の歴史に触れておこう。

そもそも、茶碗とは茶道に用いる器。
平安時代に中国から禅僧が仏器として持ち帰ったのが最初とされており、鎌倉時代に入ると僧侶の間で茶道と茶碗が広まった。
しかし、室町時代になると、中国から多くの磁器を輸入し、その中で茶碗が1番多かったことから、茶碗は”磁器の代名詞”として呼ばれるようになる。
江戸時代には一般庶民の間でも茶碗=磁器に主食のご飯をよそうことが多くなり、今日に至るわけだ。
ちなみに、お茶を飲むための茶碗を『抹茶茶碗』、ご飯をよそう茶碗を『ご飯茶碗』と区別して呼ばれているので覚えておこう。

さて、ここでご紹介したいのは、ご飯茶碗の選び方である。
毎日のように食べるご飯をよそう器だからこそ、容姿へのこだわりが、豊かな食生活へと繋がるのだ。
選ぶ際に気をつけたい基準は、”いかに自分の手に馴染むか”。
ご飯茶碗と一口で言っても、使われている素材や大きさ、手触りは様々だ。

1.大きさへのこだわり

基本的に、大きさ:三寸八分〜四寸(約12㎝)、重さ:120gが日本人に適していると考えられている。
また、器の底の部分に当たる『高台』の高さや厚みは、中指の第一関節が内側にきちんと収まるものがよい。
もちろん、人それぞれなので、実際に持って確かめる必要がある。

2.口当たりへのこだわり

縁の厚さが太いほど、お茶漬けや雑炊を食べやすい。
また、柔らかい口当たりで、温かみを一層感じられるだろう。
一方で、縁が薄いものは、ご飯がよそわれたときの容姿が美しい。
シーンごとに使い分けられるよう、何種類か常備しておくのもひとつだ。

3.素材へのこだわり

せっかくなら、作り手の想いを感じられるご飯茶碗を愛用したい。
大部分に“土”を使用して焼き上げたものは、手触りが柔らかく、素材の温かさが伝わってくる。
そのほか、“木”を使用したものもある。
漆器などが代表的で、器によそわれたご飯の温かさが、じんわりと感じられる。
普通はお吸い物などに使われる木の器だが、ご飯茶碗として使うのも乙である。

おわりに


ご飯は“盛る”のではなく、“よそう”という。
もともと、『装う』は「身だしなみを整える、風情を添える」という意味がある。
10世紀頃から使われている言葉で、昔の人は、ご飯をよそう行為ひとつに対しても、“丁寧さ”や“風情”を重んじていたのだ。
日本人の、趣ある暮らしへの考え深さ。
堅苦しく考える必要はないが、一人の日本人として身につけておきたい装いである。

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味わう味わう片付ける片付ける弄う弄う纏う纏う創る創る正す正す和む和む愛でる愛でる磨く磨く
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