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日本人は本来“性”に大らかだった?性器を祀る日本全国「性祭」

あなたが住む地域では、変わった「祭り」はあるだろうか?
イベントとして楽しいものだが、「祭り」とは、本来 神様を「祀る(まつる)」という意味がある。

日本には「八百万(やおろず)の神」という言葉が示すように、実に多くの神々が存在する
土地や家、気象の神もいれば、動物、植物にも神が宿ると言われるなど、日本ならではの神観念がある。
祭りは、その神々を迎え「感謝」と「祈願」を込めて、神様をもてなすためにおこなう。

そんな祭りにも、「奇祭」と呼ばれるものがある。
中でも、「生殖器崇拝」という、「性の祭り」をご存じだろうか。
あからさまな“男根”や“女陰”を象徴として崇めるという、一見奇妙な祭りである。

男女の性器を模した遺跡は、縄文時代から存在していたとされるほど、古来より継承されてきた。
生殖器は、命の源として「神聖なもの」とする考えがあるのだ。
そんな意味を知りつつ、今回は、日本全国に点在する「性祭」をピックアップしてみた。

【2月】飛鳥おんだ祭(奈良)

みっちんさん(@bjgeisha)が投稿した写真

天狗とお多福が、観衆の前で、あからさまなセックスを模した儀式(寸劇)を行う。
二部構成で、前半は「五穀豊穣」を祈願する「御田植神事」、後半が「夫婦円満」の儀式。
最後には、股間を拭いた紙を「拭くの紙(福の神)」として観衆に投げる。実にユニーク。

開催日:毎年2月第1日曜日
開催場所:飛鳥坐神社
     奈良県高市郡明日香村大字飛鳥字神奈備708
アクセス:近鉄「橿原神宮駅」東口 飛鳥周遊バス「飛鳥大仏前」下車 徒歩5分
参考サイト:http://www.asukanavi.jp/point.php?pid=321

【3月】豊年祭(愛知)

M@@さん(@enjoy_slow_life_4you)が投稿した写真

毎年新しく檜で「大男茎形(おおわせがた)」と呼ばれる男根を作り、厄男たちが担いで奉納。
巫女たちは、小ぶりの男根を抱えて練り歩く。
「五穀豊穣」「万物の育成」「子孫繁栄」を祈願する神事。

開催日:3月15日(毎年)
開催場所:田縣神社
     愛知県小牧市田県町152
アクセス:田県神社前駅(徒歩5分)
参考サイト:http://www.tagatajinja.com/pg18.html

【3月】於祖々(おそそ)祭

女陰を表現したという衣装を着たお多福が練り歩く。
名物のパレードの山車に乗った飾りのお多福は、口の部分が女性器になっている。
「子宝」「安産」「五穀豊穣」を願う女陰崇拝の神事。

開催日:毎年3月15日
開催場所:大縣神社
     愛知県犬山市宮山3
アクセス:楽田駅(徒歩20分)
参考サイト:http://ooagata.urdr.weblife.me/

【3月】ほだれ祭(新潟)

@0etk0が投稿した写真

「ほだれ様」と呼ばれる日本一大きいとされる男根の御神体に、嫁いできた初嫁がまたがり、男衆が担いで練り歩く。
「五穀豊穣」「子宝」「安産」を願う神事。

開催日:毎年3月第2日曜日
開催場所:下来伝ほだれ神社
     新潟県長岡市来伝1020
アクセス:関越道長岡ICから車で約50分、JR長岡駅から車で約50分
参考サイト:http://tochiokankou.jp/index.html

【4月】かなまら祭り(神奈川)

Makoto Shimizuさん(@macopurio)が投稿した写真

「かなまら様」と呼ばれる「性と鍛冶屋の神」を祀り、「商売繁盛」「子孫繁栄」「安産」「縁結び」「夫婦和合」を願う。
名物は、巨大なピンクの男根。エイズ除けの祭りとして国際的にも有名。

【4月】金勢まつり(岩手)

「縁結び」「子宝」「安産」を祈願し、男根の御神体「金勢様」を担ぐ。
祭りのクライマックスは「入浴の儀」。
露天風呂で金勢様を洗い清める。
女性のみが許され、金勢様にまたがりながら洗う様子は何ともユーモラス。

開催日:4/29(毎年)
開催場所:大沢金勢神社・大沢温泉 
     岩手県花巻市湯口字大沢181
アクセス:JR花巻駅から車で30分
     東北道花巻南ICから車で15分
参考サイト:http://www.kanko-hanamaki.ne.jp/event/event_detail.php?id=95

【6月】どんつく祭(静岡)

夢 夢子さん(@yume_yumeko)が投稿した写真

弥生時代中期から伝わる「子孫繁栄」「無病息災」「夫婦和合」を祈願した神事。
男根形の御神体を担いで練り歩く。観光客も担ぐことができる。
融合の際「ドンとつく」ことから、どんつく祭りと呼ばれる。

開催日:毎年6月第1火~水曜日
開催場所:静岡県賀茂郡東伊豆町稲取
アクセス:伊豆急行線 伊豆稲取駅下車 徒歩15分
参考サイト:http://www.inatorionsen.or.jp/dontsuku/dontsuku2016.html

【7月下旬~8月上旬】姫神祭(徳島)

夢 夢子さん(@yume_yumeko)が投稿した写真

「豊漁」と「海上安全」を祈願する祭り。
土佐の「姫様」の悲恋物語から、姫様の霊を慰めるために、島の神社に男根の御神体を祀ったとされる。
巨大な御神体は、街を練り歩いた後、船に乗せて、牟岐大島に祀られている「姫神」と呼ばれる奇石のもとへ、壮大に海上パレードをする。

開催日:7月下旬~8月上旬(荒天順
開催場所:八幡神社・海上パレード(旧・牟岐中央漁協前)
     徳島県海部郡牟岐町
    アクセス:JR牟岐駅から徒歩約10分
参考サイト:http://fishykid.org/tokushima/16

おわりに

日本には、30万もの祭りが存在するとされるが、「性祭」も全国に多数ある。
参加した外国人も驚くほど、古来から日本人は性に関して大らかなのだろう。
だが、そもそも、人類繁栄の原点はセックスだ。
猥せつ、猥雑だという以前に、命の誕生の元である。

性器は“単なるエロスを超えた神聖なもの”という観念は、むしろ大切なことだろう。
ストレートであからさまだからこそ、明るく楽しめる。

今年のスケジュールの中に「性の祭」を組み込んでみてはいかがだろうか?

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