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和食の中核を担う。日本人の魂『鰹節』の歴史と魅力を知る。

素材の味を最大限にいかす、和食。
ちょっとした風味や味加減の違いによって、美味しさが大きく左右される。
その中核を担う柱のような、魂のような存在が”出汁”だ。
素材にこだわり、丁寧に丁寧に出汁をとる工程は、和食を提供する全ての料理屋に共通したこだわりだろう。

もちろん、一般家庭にも当てはまる話。
粉末タイプのインスタントではなく、鰹節と昆布から丁寧に抽出した出汁を使えば、たちまち料亭の味に早変わりだ。

そこで、今回は出汁の味の決め手となる”鰹節”に着目。
どんな種類があるのか、抽出する際のポイントはなにか、改めて迫ってみよう。

鰹節の歴史を遡ってみる

まずは、あまり知られていない鰹節の歴史を紐解いてみよう。
鰹節の始まりは、なんと3世紀中頃。
弥生・古墳時代には鰹を素干にしたものや、煮てから干したものが創案されている。
黒潮に乗って豊富に漁獲される鰹は、昔から貴重なタンパク源として食されていた。
長期保存を図るため、自然と鰹節の原型である”干す”技術が発展したわけだ。

その後、現在のような鰹節が登場するのは室町時代に入ってから。
現在の製造工程と同じ、火の力で燻して水分をとっていく”焙乾(ばいかん)”という技術が確立する。

鰹節が名声を挙げるのは、江戸時代初期。
もともと生産が盛んだった紀州の焙乾小屋が改良され、鰹節が大きく進歩したのだ。
天下の台所・大阪での商売が繁盛したり、京料理や上流家庭の料理に使用されるなどして、一気にその名を轟かせることとなる。

鰹節の歴史において、忘れてはいけない人物が”紀州甚太郎”だ。
焙乾の創始者でもある甚太郎は、燻し方、焙乾法、カビ付けなど、様々な技術を草案。
改良に改良を重ね、土佐から大阪、江戸までの長い輸送にも耐えられる、“改良土佐節”を生み出す。

甚太郎のほかにも、様々な鰹節職人が製造方法を改良。
それら長い努力によって考え出された鰹節が、現在に受け継がれているわけだ。

鰹節の種類は大きく分けて2つ。

まず、製造工程において“カビ付け”を行った鰹節。
高級品として市場に出回ることもあり、発酵食品のひとつに位置付けられる。
焙乾した鰹節全体にカビをつけ、成長させることで水分を均等に吸収。
また、微生物の働きによって発酵・熟成が進み、旨味と豊かな香りが加わり、透明度の高い出汁をとることができる。

カビ付けを行わない鰹節を、”荒節”と呼ぶ。
比較的安価で市販の約8割を占める鰹節だが、鰹本来の力強い香りが特徴的だ。
一般的に”花かつお”と呼ばれる商品があれば、だいたいが荒節だと思って相違ないだろう。
どんな料理にもオールマイティに活用でき、出汁をとる以外にも、お好み焼きやサラダのトッピングとしてもオススメだ。

一番だしと二番だし、取り方に違いアリ!

1.一番だし

■材料:
・鰹節:30g
・水:1,000ml
■手順:
1.小鍋に水を入れ、沸騰したら火を止める。
2.鰹節を優しく投入し、1〜2分間、混ぜずに放置する。
3.ザルにキッチンペーパーをしいて濾す。

一番だしは、最も贅沢な出汁。
お吸い物、味噌汁、うどん・そばなど、出汁がメインとなる料理に適している。
ポイントは、決して混ぜたり、絞ったりしないこと。
焦らずに放置することを意識して、琥珀色の上品な一番だしをとろう。

2.二番だし

■材料:
・一番だしの出汁がら
・水:500ml
■手順:
1.鍋に出汁がらと水を入れる。
2.沸騰させたら、弱火で5分ほど煮出して火を止める。
3.ザルにキッチンペーパーをしいて濾し、最後に軽く絞る。

一番だしをとった後の出汁がらを使用。
まだまだ旨味が十分あるので、決して捨てずに二番だしをとろう。
ポイントは、一番だしとは真逆で、キッチンペーパーで漉したら丁寧に絞ること。
最後の一滴まで、旨味を逃さない気持ちで優しく力を込めよう。
煮物や炊き込みご飯など、他食材の旨味が合わさる料理がオススメ。
二番だしの活用方法は幅広いので、面倒がらずにとるよう心がけてほしい。

おわりに

鰹節の旨味の秘密は、グルタミン酸とイノシン酸。
両方ともアミノ酸の一種だが、どちらか片方だけだと旨味は半減してしまう。
2つがあって初めて旨味の相乗効果が生まれ、芳醇な香りとコクが引き出されるわけだ。

日本の歴史は、鰹節の歴史といっても過言ではない。
普段何気なく食べている和食も、その背景には壮大な物語が広がっているのだ。
どこかの和食料亭に行く際はもちろん、自分で出汁をとるときには、是非とも鰹節の風味に意識を集中させ、その旨味と魅力を堪能して頂きたい。

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