産地の食べ比べて初めて分かる真理!…オイスターの奥深い魅力に触れる。
栄養価の高さから、”海のミルク”と称される牡蠣。
1週間を頑張った自分へのご褒美に、酒の肴に選ぶ人も多いだろう。
しかし、気がつけば1年を通して何度も食べている気がする……?
果たして、牡蠣の旬とはいつなのだろうか。
多くの人が、牡蠣は秋・冬に旬を迎えると考えているはず。
しかし、間違いではないが、正解でもない。
夏場だからこそ美味しく食べられる牡蠣もある。
その特徴の違いは、牡蠣が育まれた”産地”に秘められているのだ。
今回は、そんな牡蠣の魅力を都内にあるオススメのオイスターBAR『OYSTER&WINE SEASON(オイスターアンドワインシーズン)』の絶品メニューと共に紹介しよう!
牡蠣ってなんぞや?
牡蠣を美味しく食べられる時期。
それは、牡蠣の種類や産地によって変わってくる。
秋・冬に旬を迎えるのは”真牡蠣”。
東北の三陸海岸では養殖も盛んで、国内で最も流通している。
秋〜冬になると産卵に備えて栄養を蓄えるため、身がぷっくりして美味しくなるのだ。
一方、夏場に旬を迎えるのは”岩牡蠣”。
日本海側で多く養殖されており、6月〜8月頃に栄養を蓄える。
ミルキーな真牡蠣よりも、あっさり&すっきりとしたテイストが特徴的だ。
1年中食べられる牡蠣だが、よく見てみると容姿や味わいに違いがある。
それは産地・品種の違いがあるから、というわけ。
ちなみに、”海のミルク”の異名を持つ牡蠣の栄養価はとても高い。
人間の体に欠かせない、亜鉛、鉄分、マグネシウム、カルシウムを多く含んでおり、免疫力の強化、造血作用などが期待できる。
また、肝臓機能の強化も見込まれ、お酒との相性も良いのだ。
ただ、ミルクと呼ばれるだけあってカロリーも高い。
食べ過ぎにはくれぐれも注意して、ほどよく嗜んで頂きたい。
【六本木】OYSTER&WINE SEASON
東京ミッドタウンの目の前。
各線「六本木駅」から徒歩数分の場所にあるオイスターBAR。
地下1階に店舗があり、階段を降りることで穴場感を演出。
扉を開ければディープブルーのライトが美しい、バーカウンターが出迎えてくれる。
落ち着いた大人の雰囲気なので、デート使いにもピッタリだ。
それでは、さっそくメニューを見ていこう。
写真をご覧頂ければ分かる通り、全国津々浦々の産地から牡蠣を取り寄せ。
時期によって様々な味わいの牡蠣を食べ比べることができる。
最初は、”牡蠣の盛り合わせ”がオススメ。
どの産地から食べたらいいのか、スタッフが提供時に教えてくれる。
基本的には、すっきりとしたテイストから、徐々に濃厚になっていく順番だ。
“宮城県浜市産のバージンオイスター”
あっさり&すっきりとしたテイストで、夏らしさを感じられる。
通常の1/3くらいのサイズだろうか、盛り合わせの中で最も小ぶり。
しかし、その存在感は絶大で、軽いジャブを食らわされた気分だ。
“天草塔ノ崎産の生牡蠣”
身の部分が浜市産よりも若干ぷっくりとしている。
その見た目通り、味わいはとてもミルキーで濃厚。
それよりも、口いっぱいに広がる磯の香りが最高のスパイスとなっている。
“宮城県女川産の生牡蠣”
これまでの2つとは違い、サイズが一気に倍になる。
ずっしりとした重厚感ある口当たりだが、テイストはあっさり。
ここからが本番か……!と思わせられる牡蠣だ。
“熊本県産の岩牡蠣”
身の部分が破裂しそうなまでに膨らんでいる。
その見た目通り、味わいは超がつくほどにクリーミー。
つるんっとした口当たりは官能的で、どこか女性を連想させられる。
“石川県輪島産の岩牡蠣”
なるほど、最後に相応しいと納得させられる。
牡蠣の基本である濃厚さを控えめに、”食感”を前面に押し出した。
シャキシャキ、コリコリとした歯ごたえがとにかく印象に残るのだ。
塩っけの強さも相まって、十二分に満足感を得られるだろう。
焼きガキのネギみそ焼き。
濃厚な味噌とクリーミーな牡蠣が見事にマッチしている。
白ワイン蒸し 岩海苔のソース
海のミルクと大地のミルクがコラボレーション。
両者が奏でる至福のひと時、その余韻まで楽しんで頂きたい。
ど定番の”カキフライ”は外せない。
サクサクッと揚げられ、肉汁が溢れ出してくる。
中濃ソースと自家製タルタルソースが付いてくるが、牡蠣本来の塩っけがあるため、レモンを絞ってシンプルに頂くのがオススメだ。
締めに選びたいのが、”牡蠣のリゾット”。
40分ほど調理時間がかかるので、早めに注文しておくと良い。
口に含んだ瞬間、まずは濃厚なミルクの口当たりが広がる。
しばらく味わっていると、チーズの薫りがふわっと鼻に抜ける。
牡蠣のエキスも相まって、優しいけど力強い、存在感のあるリゾットだ。
今回ご紹介した牡蠣料理以外にも、旬の魚介を使ったメニューもオススメ。
しかし、まず最初に楽しんで頂きたいのは、牡蠣の食べ比べである。
「石川県産は日本海の荒波にさらされたから、身が引き締まってコリコリしているのかな……?」「熊本県産はのどかな環境だから、柔らかくコクが生まれるのかな……?」といった具合に、産地の環境や風土に思いを巡らせるのも一興だろう。
いずれにせよ、産地・時期によって、ここまで味わいが変わるのかと驚くはず。
たまにはしっぽりと、牡蠣の魅力に酔いしれてみてはいかがだろうか。
住所:東京都港区六本木7-12-3 Power House B1F
電話:03-3478-8847
営業時間:11:30~14:30 18:00~23:30 23:30~翌4:00(L.O.翌3:00)
定休日:日曜・祝日
参考URL:http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13029683/
おわりに
牡蠣と人間の歴史は古い。
縄文時代に築かれたとされる貝塚には牡蠣の殻が発見され、『古事記』をはじめとした古い書物にも登場している。
世界に目を向ければ、西洋では紀元前から滋養強壮食として親しまれ、ローマ帝王が絶品の牡蠣を求めてイギリス遠征を果たした伝説もある。
殻が硬く、見た目がかなり特徴な牡蠣。
それを食べようとした、ご先祖様のハングリー精神は計り知れない。
私達の食卓に牡蠣が現れるのが、ずっと遅れていたとしても不思議ではないのだ。
美味&栄養満点。
牡蠣をたらふく食べられる、現代に生きる私達はとても幸せ者。
是非、産地毎に異なる牡蠣の美味さをじっくりと堪能して頂きたい。