あなたを癒しの境地へと誘う…今日から実践したい”写経習慣”の魅力とは?
心がモヤッとする。
頭の中の考えがまとまらず、どうにも落ち着かない。
ストレス社会を生きる私達の心は、知らぬうちに疲労を溜め込んでいる。
我慢して積み重ねていると、何かの拍子にガラガラと心身が崩れさり、取り返しのつかないことになるのだ。
それを避けるためにも、すぐに実践できるリラックス手段が不可欠。
今回は気軽にトライできる”写経”をおすすめしたい。
墨を摺り、筆を持ち、丁寧に文字を綴っていく。
心を無心にすることで、癒しの境地へと辿り着けるわけだ。
文字の上手・下手は関係ない。
あなたの意志があれば、すぐにでも実践可能なので参考にしてもらいたい。
そもそも、写経とはなにか?
写経といえば、僧侶の修行というイメージだろう。
今でこそその意味合いが強いが、もともとは印刷技術がなかった時代に、経典を書き写していたのが始まりだ。
仏教が根付いていた中国・中央アジアでは2世紀頃から、日本でも飛鳥・白鳳時代から写経が行われていたらしい。
日本においては、冥福祈願、病気平癒のため、写経が国家事業として扱われるようになる。
現在では、精神統一を目的とする場合が多い。
頭の中を空っぽにし、ひたすら文字を綴ることに意識を集中させる。
不安、怒り、悩みといった”雑念”を取り払うことで、心に安らぎをもたらすことができるわけだ。
体の休息は、滋養のある物を食べるなり、しっかり睡眠をとるなり、様々な方法がある。
しかし、心の休息はなかなか難しい。
そもそも、心に疲労が溜まっていると、”疲れている”と自覚しにくくなるのがやっかいでもある。
しかし、心からのメッセージは必ずある。
例えば、「どうにも落ち着かない」「最近、怒りっぽい気がする」といった雑念を感じたなら、それは心が発している危険信号なのかもしれない。
まずは、それを素直に受け止めること。その所作から、すでに写経は始まっているのだ。
自宅での写経を習慣化する
お寺でおこなう写経は、非日常の空間に身を置けるメリットがある。
とはいえ、わざわざ遠いお寺に足を運べるほど、時間に余裕のある人は少ないだろう。
そこでおすすめしたいのが、自宅でできる写経だ。
お寺では般若心経を書き写すのが一般的だが、それだけに凝る必要はない。
例えば、定期的に読んでいるお気に入りの本や今の自分に必要だなと思う本。
そこで著者が綴っている言葉や文章の中でも、特に感銘を受けたものをノートに一文字ずつ書き写していく。
誰かに教えてあげたい価値観だ。
なんて素晴らしい考え方なのだろう。
そんなふうに、自分の中に”響いた文章”を、丁寧に写経する。
読書の作法として、蛍光ペンなどでマーキングすることがあると思う。
その代わりとして、ノートに書き溜めていくと考えて頂ければいい。
ポイントとしては、以下の3つである。
2.紙質の良いノートを選び、1行ずつ空けながら贅沢に使う。
3.写経した文章に関して何らかの想いがあれば、メモしておく。
何より心がけてほしいのは、肩肘張らずに取り組むこと。
寝る前の10〜15分間でもいいので、1日の中で最も落ち着いた時にでもでトライしてみてほしい。
何気なく続けていれば、自分の心を動かした文章や価値観、アイデアがまとめられたノートが出来上がってくるはず。
それは、あなただけの貴重な財産となるだろう。
写経を体験できるお寺
とはいえ、まずはお寺で本格的な写経を試してみたい。
そんな人は、都内からアクセスがいいお寺を訪れてはいかがだろうか。
等々力不動尊
東急大井町線「等々力駅」から徒歩5分。
東京23区内にあるとは思えない、大自然の小径=等々力渓谷を進んだ先にある。
毎月第2日曜日の9:30から写経体験を実施。
僧侶からの法話も聞ける。
この一帯はパワースポットとしても人気が高く、天気の良い日は気持ち良い散歩コースにもなるので、デート使いにもおすすめだ。
電話:03-3701-5405
体験時間:毎月第2日曜日 9:30〜 (前日正午までに要予約)
料金:1,000円
公式URL:http://www.manganji.or.jp/
成田山東京別院深川不動堂
ビジネス街のど真ん中、地下鉄「門前仲町駅」から徒歩2分。
芸能人や著名人も多く訪れる、千葉県の成田山新勝寺の別院。
毎日9:00〜14:00まで写経体験の場を提供している。
初心者でも僧侶が丁寧にフォローしてくれるので、心配はいらない。
気持ち良い休日の朝を迎え、心身ともにリフレッシュしてはいかがだろうか。
おわりに
心を癒す、雑念を取り払う、気持ちを切り替えたい。
写経には色んなメリットが考えられるが、ビジネスに勤しむ者として、直近の効果は他にもあるように思える。
例えば、自分の手で文字を綴ることで、脳が活性化されること。
真意は定かではないが、認知症予防にも期待できるという研究結果もあるようだ。
仕事上、PCでタイピングするのがほとんどだと思う。
便利だし、早いし、申し分はない。
しかし、直感で文字を打っているし、「delete」を押せば何度でもやり直しが利く。
おそらく、それでは頭の中に何も残らないのだろう。
脳を活性化させ、ロジックを立てて物事を考えられる。
写経には、そんなビジネス面でのメリットもあるはずだ。