父親の役割を考える

イクメンとは？

2010年6月、厚生労働省がスタートさせた「イクメンプロジェクト」（http://ikumen-project.jp/）では、「育てる男が、家族を変える。社会が動く」というビジョンを掲げている。

「子育てを“手伝う”“参加”－手伝うや参加という言葉自体が、既に「受け身」である。育児をする男性は“イクメン”ではなく“ただの父親だ”」というツイートも広がりを見せている。
「イクメンプロジェクト」スタートから5年経ち“イクメン”に関する多くの議論は、男性の働き方やそれを取り巻く社会環境、ママ支援の側面から語られることが多い。
非常に重要な課題だ。
子育て女性の負担を可能な限り軽減するのは、当然ながらパートナーである男の役割だ。
その男達を取り巻く社会をよりよくしていくのも然りだ。

だが、どこか主役が不在である。
主役とは子供である。
子供にとって良い父親像とは？という子供からの視点が圧倒的に欠けている。

子供が求む父親とは

子供は、安らぎ、安心、愛情、優しいなどの「安全性」を母親に求める。子供は母親の胎内で時を過ごし、多くの場合は母乳から栄養を取る。
母親と子供は父親よりも繋がってる期間が長いのだから、当然といえば当然だ。勝てる訳がない。

母親と子供の繋がりと比べて、男はどうだろう？
日本子ども家族総合研究所に「父親の役割に関する基礎的研究」という研究が掲載されていたので引用してみよう。

子供にとって父親とは？
(1)強く、楽しい、しかし厳しいところもあり、全体的に信頼される
(2)仲間、よき相談相手、理解者であり、また頼りになり支える
(3)子供にとってかけがいのない存在であり、モデルともなり、そして関わり守ること
(4)父親は母親に次ぐ存在。

引用： 日本子ども家庭総合研究所「父親の役割に関する基礎的研究－母親の役割とも比較して－」

私には子供はいないが、自分の幼少期や青年期を考えると「親」への期待は四つに集約される。
またこの四つの期待に父親に裏切られ反発もしたので、よく理解できる。

父親は、男という守る役割、兄貴、友達、親友、先輩、先生、全ての役割を求められているのだ。

父親に求められるスキルとは？

子供たちがあなたに求めることは、なんだろう。
・遊び心を持った子供力。
・冷静さや判断力など“大人”スキル。
・体力・知識。
・（現実的に多くの場合）収入も求められる。
男性達が考える理想の父親像も同様だ。

こんなパパになりたい！ 「理想の父親像」TOP5
1位　包容力のあるやさしい父親（63.0％）
2位　子どもを過度に甘やかさない厳格な父親（43.5％）
3位　何があっても動じない強い父親（38.0％）
4位　若々しくてアクティブな父親（32.5％）
4位　ユーモアあふれる面白い父親（32.5％）

出典： R25「将来なりたい理想の父親像1位は？」

子供達だけではない、己もまた、子供が父に求める父親像と同じような父親になりたいと願っているのだ。

“包容力”“厳格”“勇敢力”“行動力”“巧妙さ”は、簡単に見つけれるものではない。
過去とこれからの経験や体験から育まれるものなのだ。
育児が仕事に繋がるのではなく、仕事も遊びも学びも全てが育児に繋がるのだ。



まずは自分の子供に、どう育って欲しいかを考えてみよう。
その後で、総合的に必要な父親のスキルや役割を考えてみよう。
それを愛すべき子供が求めているのだから。