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テーブルマナーの基本は“いただきます”

マナーとは何か?

テーブル・マナーを知らないと恥をかくと書かれている記事も多く見受けられる。
しかし、一体それは誰から恥ずかしいと思われるのだろうか?

マナーとは何か?
テーブルを抜いて、一度パブリック・マナーで考えてみよう。
図書館やコンサートなどの公共の場所においては電源を切る。
行列への割り込みをしない。
ゴミのポイ捨てをしない。
電車で降りる人が優先。
これらは、政府・自治体のためでも、鉄道会社や会場スタッフのためでもない、
パブリック(周囲にいる人達)から恥をかかないためのルールだ。
ルールというより“気遣い”に近いのかも知れない。

テーブル・マナーは誰のため?

話をテーブル・マナーに戻す。
テーブルマナーを知らずに誰から恥をかくのだろう。
フレンチ・料亭などの高級料理店なのか?
披露宴などの特別なパーティー会場のスタッフからなのか?
我々はなぜ、そのような場で「テーブルマナー」を気にするのだろうか。
それは店と自分自身の差ではないだろうか?それを見透かされるのが嫌で、テーブル・マナーを習得しようとしていないだろうか?
それは無理だ。
彼らもプロだ。付け焼刃的なお作法は、すぐ見破られる。
単なる知識のお作法の前に、考えるべきポイントがあるのではないろうか?

テーブルマナーの基本は、楽しく快適な食事のためのマナーだ。
では“楽しませるべき相手”とは一体、誰なのか?
まずは“あなた”と一緒に料理を楽しむ“相手”だ。
テーブルマナーというお作法に雁字搦めになっては、相手も楽しめない。
雁字搦めになるあまり、相手が不愉快になれば、自分にも返ってくる。

では“相手”が不快を感じるのは、どんなことだろう?
“汚さ”を感じることは言語道断だろう。
目の前の相手以外にも気をつけたい対象はいる。
テーブルの周囲の人々だ。
いくらあなたがお客であっても、他のお客の楽しさを邪魔する権利は持ち合わせていない。

また、楽しい時間を演出してくれるスタッフや料理人にも気を遣いたい。
彼らも人間だ。あなたの“気遣い”次第でサービスの形で、返してくれるはずだ。
結局は自分の楽しい時間にめぐりめぐって返ってくる。

敬意は6文字に



更に私が考えるに、もう一つ、気を遣うべき対象がある。
料理だ。食材だ。
我々の楽しい時間のために、彼らの命を頂いてるのだ。
これ以上の敬意を表すべき対象はいない。

「いただきます」には、食事に携わった方々(それは料理人だけでなく、摂った人、採った人、育てた人も含まれる)、そして食材への感謝が含まれている。
「いただきます」というたった6文字に「テーブルマナー」の多くは含まれているのではないだろうか?
この気持ちがあれば、自然とマナーにかなった振る舞いができるのではないだろうか?

ここまで、つらつら書いてきたが、その最中、過去の自分の飲食店での行動や発言が多数思い浮かぶ。
この記事を読ませて、説教したいほどだ。
これは、自分が同じ過ちを二度と繰り返さないための戒めでもある。

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