それは新たな“再生の形”か?!…ダンボール造形作家「玉田多紀」の世界。
誰もが普段からよく目にしているダンボール。
中身を取り出した後は邪魔になり、処分している人が多いはず。
しかし、そんなダンボールを再利用し、アート作品を制作している一人の女性がいる。
捨てられるはずだったダンボールに命を吹き込む造形作家「玉田多紀」の世界をご紹介しよう。
ダンボール造形作家「玉田多紀」とは
ダンボールの強度と柔軟性を生かした独自の技法による立体を制作
古紙ダンボールを生命の形に蘇らせることで新たな再生をテーマに取り組んでいる
2007年度 トーキョーワンダーウォール公募入選
2010年度 YOKOHAMA創造界隈ZAIMコンペ受賞
2010年度世田谷区芸術アワード“飛翔”生活デザイン部門受賞
国内外での展覧会やワークショップを開催中
現在、ギャラリー、動物園、小学校etc……
日本全国の様々な場所で活動している彼女。
海外のイベントに参加することもあり、今世間から注目されている造形作家だ。
テーマは“新たな再生の形”。
彼女の手にかかれば、どこにでもあるダンボールがイキイキとした動物や植物に生まれ変わる。
美大在学中よりダンボール一筋10年。
長年かけて磨き上げてきたその腕で、木彫りのような粘土のような不思議な質感を持つダンボール紙ならではの作品を数多く手がけてきた。
その唯一無二のダンボールアートは、子どもたちの好奇心や想像力を育み、目の肥えた大人の芸術的欲求にも応えている。
圧倒的存在感! 迫力あるダンボールアート
ブラキオサウルス
全長なんと5メートル!
「independence – 他に依存することなく自立する」という作品タイトルが示す通り、何かに寄りかかることなく、その巨体を自らの足で支えている。
ジンベエザメ
こちらも非常に大きな作品。
網に引っ掛かったジンベエザメが今にも暴れ出しそうな臨場感がある。
どちらも素材はダンボールのみ。
単一素材でこんな大きな立体作品を作り上げる技術には脱帽だ。
ダンボールからうまれたいきもの展 ~造形作家 玉田多紀の世界~
現在、調布市文化会館たづくり1階で催されている玉田多紀作品の展示会を今回覗いてみた。
展示室入り口では、まず大きなゾウがお出迎え。
今にも「パオーン!」と鳴き出しそうなダイナミックさだ。
コミカルなカエルも「ボクにwelcome」と歓迎してくれた。
こちらは頭隠して尻隠さず。
会場内ではかくれんぼする動物が、いっぱいいた。
大きく迫力ある作品も見応えあるが、こんな遊び心をくすぐる作品も面白い。
子どもと一緒に「あの動物は何かな?」と考えるのも一興かもしれない。
また、エントランスステージには新作「シカ」も登場。
16:00~21:30の間、森をイメージしたライトアップが行われるのでそちらもお見逃しなく。
ダンボールとは思えない、幻想的な風景がアナタのことを待っている。
もちろん、先に紹介したブラキオサウルスやジンベエザメも展示してあるので、お楽しみに。
・会期:2016年7月24日(日)まで
・時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで)
・会場:文化会館たづくり1階 展示室
・〒182-0026 東京都調布市小島町2-33-1 042-441-6150
・入場料 無料
・URL:https://www.chofu-culture-community.org/
おわりに
普通なら気にもとめずに、捨ててしまうダンボール。
だが、そんなモノもある人が手を加えれば立派なアート作品になる。
他人にとっては価値のないモノでも、自分にとっては大いに価値あるモノ……
アナタにとってのダンボールもきっとどこかにあるはず。
人生を変える素敵な出会いは、意外とすぐそばに転がっているかもしれない。