あなたも感動体験を生み出す側へ!…ホスピタリティ精神を身につけるために心掛けたい3つのコト。
ホスピタリティ。
この言葉が私達に浸透してから、長い年月が経った。
それどころか、サービスの質を推し量る基準はどんどん高まり、止まることを知らない。
ホスピタリティのマニュアル化が難しいという背景もあるだろうが、世の中に人間がごまんといる限り、ホスピタリティが生み出す感動物語は次々と生まれていくと思う。
しかし、私達はそれを傍観していてはいけない。
サービスの質向上の影響は、日常生活にも波紋を広げつつある気がする。
美味い料理を食べれば舌が肥えてくるのと同じように、ホテルなどで受けるサービスの質が高まれば高まるほど、私達はホスピタリティに対して敏感になっていくのではいだろうか。
妻(彼女)からの信頼や愛情を得るために……
日頃から粋を熟知したジェントルマンになるために…
他人への思いやり、おもてなしが核となるホスピタリティ。
それは、例えば上記のような日常生活を送るために不可欠な要素だし、
ビジネスマンとして周りと差をつけるために身につけておきたいスキルとなるだろう。
スターバックスやディズニーランドの従業員だけではない。
ホスピタリティは、あなたにも身につけておかなければならない理由があるはずだ。
ホスピタリティとはなにか?
思いやり、心からのおもてなし。
日本人が昔ながらに持つホスピタリティの概念は、旅館やホテル、飲食店、医療現場など、”サービス”を提供する場で幅広く浸透している。
例えば、「NO」といわない高級ホテル『リッツカールトン』。
昔好きだった映画をもう一度観たい、部屋できりたんぽが食べたい……
そんな無理難題にも柔軟に対応し、最高のおもてなしと共にサービスを提供する。
また、コーヒーを通して感動体験を提供する『スターバックス』。
落ち着きのある店内環境もホスピタリティサービスで、美味しいコーヒーをきっかけに、非日常の感動体験を提供するのが同社のミッションのひとつである。
ホスピタリティは、”客が求めている以上のこと”を提供すること。
サプライズにも似た概念だが、私達は予想外に嬉しいことをされると感動する生き物なのだ。
しかし、ホスピタリティにはマニュアルがない。
人間の性格は十人十色なので、適したサービスも千差万別というわけ。
そんなサービスについて日夜考えている従業員には感謝の言葉を述べたいが、私達も普段からホスピタリティについて考える癖をつけるべきだ。
下記からは習慣化したいメソッドをご紹介するので参考にして頂きたい。
その1:さまざまな”体験”を得る
ホスピタリティを知るには、まず自分自身がホスピタリティを体験することから始めてみよう。
最も身近な例だと、やはりスターバックスがオススメだ。
そのなかでも、あまり忙しくない時間帯、混み合っていない店舗がいい。
人の入りようが多すぎると、従業員も人間なので上手く対応しきれないのだ。
“第三の場所=サードプレイス”を探すつもりで、近くの店舗に足を運んでみよう。
そのほか、サービスの質が期待できるホテルやレストランなど。
覆面調査員になったつもりで、従業員の立ち振る舞いに目を向けてみてほしい。
自分に関することだけでなく、そこには様々な感動体験が生まれているはずだ。
その2:嬉しかったことを”記録”する
ある日、都内のスターバックスを利用した時のこと……
私:アイスコーヒーのTall Sizeください。
店員:現在、2種類のお豆で提供しているのですが何方になさいますか?
私:ミルクと合わせたいのですけど……
店員:でしたら、こちらがオススメです。
私:じゃあ、それでお願いします。
店員:ミルクと合わせるのでしたら、カップをGrande Sizeでご用意しましょうか?
私:なんと! 是非ともお願いします。
……といったやりとりがあった。
「ミルクを加えやすいように、余分な空間が出来る、1段階大きめのカップでご用意しましょうか」というホスピタリティサービスを受けたというわけだ。
さすが、スターバックス!!と感動したのだが、もしかすると、店員である彼は何度も同じサービスを提供しているのかもしれないし、そもそも、先輩が同じようなサービスを提供しているのを見て真似をしたのかもしれない。
少なくとも、上記のようなホスピタリティの真髄ともいえるサービスを瞬時に思いつくとは考え難い。
ホスピタリティは”自分が実際に受けた体験をもとに生まれるもの”という事実。
先に述べた様々な体験をするべきという話から繋がるのだが、自分が「嬉しいな」「感動したな」という稀な体験はしっかりと記憶しておくべきだ。
メモ帳や日記帳に記しておくのが理想だが、SNSなどで発信するのもいいだろう。
自分が受けた嬉しいことは、他人も同じく嬉しく思う。
それこそ、ホスピタリティマインドを身につけるための極意だろう。
日頃から他人に提供できるホスピタリティ体験を蓄積しておけば、いざというときに必ず役に立つはずである。
その3:自分を出すために”余裕”を持つ
忙しかったり、慌てていたり、心にゆとりがなかったり。
そんなときは、どんなにホスピタリティに長けていたとしても、実力を100%発揮するのは難しいだろう。
人間だものキャパシティーを越えることはできないし、場合によっては質よりも速さを優先したほうが、より良いサービスにもなり得る。
とはいえ、余裕を持つ意識や努力はすべきだ。
「粋だなぁ」「ジェントルマンだなぁ」と感じる男性は、常にスマートだ。
行動も言動も落ち着きがあり、何もかも包み込むかのような許容量と暖かさがある。
いかなる状況下においても自分のペースやスタイルを崩さない。
その域に達するには相当の自信も必要だが、
ホスピタリティサービスは”余裕”という基盤の元に成り立っている気がする。
いずれにせよ、自分を保つことはより良い循環をもたらす。
そのためにはどうすればいいのか? 今の自分に何が足りないのか?
問題や課題と向き合いながら、余裕あるスマートな人物を目指して頂きたい。
そこから生まれるホスピタリティは、何倍も暖かなものとなるはずだ。
おわりに
あなたは何のために仕事をしているのだろう?
お金を稼ぐため、生きるため、人それぞれの目的があると思うが、自分が携わったことが誰かの幸せに繋がることなら、これ以上のやりがいはないはずだ。
ホスピタリティも同じこと。
普段の言動や行動が、誰かの喜びや感動に繋がるのに越したことはない。
そこに”信頼”という確かな絆が生まれ、必ずあなたに還元されるだろう。
サービスを受けるだけでなく、サービスを提供する側に。
まずは意識することから始めてみてはいかがだろうか。