建築を語るなら知っておきたい。 世界の”安藤忠雄”が生んだ建築作品 5選。

建築に詳しくなくとも、凄い人だとは分かる。
大阪生まれの日本を代表する建築家、安藤忠雄。
世界各国を旅したあと、独学で建築を学び、一級建築士へと上り詰めた。
直近では新国立劇場の審査員長を担ったことでも話題となったが、私達は彼が手がけてきた建築作品をどれだけ認知しているだろうか。
建築を語るなら尚のこと、一人の日本人として知っておきたいところだ。
そこで、今回は安藤忠雄の代表的な作品を5つピックアップ。
世界の安藤、ミニマリスト的建築の第一人者と称される彼の作品を見ていこう。

【大阪】住吉の長屋(1976年)

Gutes Design ist so wenig Design wie möglich. #住吉長屋#LessIsMore#Design

I-Sheng Fangさん(@ishengfang)が投稿した写真 – 2015 8月 1 3:00午前 PDT

コンクリート打放しのミニマル建築。
初期の安藤建築の特徴で、そのデビューを飾ったのが『住吉の長屋』だ。
出入り口の開口部が空いているだけのシンプルな正面に、狭い印象の強い長屋内部に光が差し込む中庭をこしらえ、最大限豊かな空間に仕立ててある。
雨天時には2階寝室からトイレにいくために傘をささなければならないユニークな構造。
そこには便利さを犠牲にし、「生活を営む上で本当に大切なものは何なのか」という安藤忠雄からの問いかけが込められている。

【兵庫】淡路夢舞台（2000年）

Junichiro Nakagawaさん(@nakajun1007)が投稿した写真 – 2016 5月 21 12:10午前 PDT

国内外から多くの人が利用する、『ウェスティンホテル 淡路』。
その広大な敷地内のなかにあるのが、『淡路夢舞台』だ。
関西空港建設のため、土砂採掘場として利用されていた場所。
当時は荒れ果てていたが、そこを水と緑、そしてコンクリートが織りなす夢舞台へとリメイクした。
目玉となるのは、斜面いっぱいに広がった”百段苑”と呼ばれる花壇。
四季折々の彩り豊かな花々で埋め尽くされ、淡路島の人気スポットのひとつになっている。

【東京】国際子ども図書館 (2002年)

@mrgentlelaiが投稿した写真 – 2015 7月 6 6:56午前 PDT

上野公園にある『国際子ども図書館』。
国内外の児童書と関連資料を展示している図書館で、通称：上野図書館とも呼ばれている。
もともとは、明治39年（1906）に建てられた帝国図書館。
貴重な明治初期のルネサンス様式の保存・再生、
そして現代施設としての活用をテーマに掲げている。
100年前のシャンデリアや近代的な大階段、漆喰装飾など、明治の趣を所々に感じられる貴重な施設でもあるのだ。
もちろん、子ども図書館と銘打っているだけあって、収蔵されている児童書は約1万冊。
上野公園でのんびりするついでに、立ち寄ってみてほしい。

【東京】表参道ヒルズ(2006年)

関西方面に多い、安藤忠雄の建築作品。
東京でみられる中でも最も有名なのは、この『表参道ヒルズ』ではないだろうか。
近代日本最初期の鉄筋コンクリート集合住宅「旧同潤会青山アパート」、その跡地にあった地下空間を最大限に活かした建築物となっている。
テーマは、次の時代への再生。
敷地面積の30％を緑化し、表参道に連なるケヤキ並木と相まって、緑と共に過ごせる空間となっている。

【東京】東急東横線 渋谷駅（2008年)

ユスケンさん(@yusuken14)が投稿した写真 – 2016 5月 23 3:03午前 PDT

建築のテーマは、地下深くに浮遊する宇宙船。
賛否両論が飛び交う新・渋谷駅のデザインを手がけたのも、安藤忠雄だ。
改札のある地下2階から、地下5階のホームを貫く楕円形の吹き抜けが特徴的。
電車から漏れる排熱を上に逃がす役割を担っているが、改札口からホームを見下ろせば、近未来的な雰囲気を感じられる。
渋谷ヒカリエ側の改札付近にある、卵型のシェルがシンボルマーク。
“地宙船”と呼ばれ、「電車に乗る以上のことを考えられる駅にしたい」という想いが込められているのだ。
通勤時などで日頃から渋谷駅を利用している人も、今度は建築的目線で観てみてはいかがだろうか。

おわりに

光、影、自然、コンクリート。
それらを絶妙にMIXさせ、独特な建築空間を生み出している安藤忠雄。
今回ご紹介した以外にも、日本国内だけでなく、世界中に建築作品が現存している。
世界の安藤が手がけた建築、それだけでも観に行く価値はあるはずだ。