コトバで伝える職人「仲畑貴志」…働く意義を感じ、モチベーションを高める。
40代以上の方は、ご存じだろうが1980年代「コピーライターブーム」なるものが存在した。
商品や企業を言葉で表現し、広く伝える職業「コピーライター」。
当時の私には「広告」は、非常に刺激的なものだった。
今、こうして広告業界の片隅にいるのは、こんなコピーライターへの憧れが要因の1つだと思う。
ただ実際は、納期や売上などの数字に追われているのが現状だ。
そんな数字やタスクを片付けるだけの雪かきに辟易し「働く意義を見失う」こともある。
多くの読者も多かれ少なかれ、そんな状況感情ではないだろうか?
ふと「大仲畑展mini〜コピーライター仲畑貴志のぜんぶのいちぶ」なるイベントを目にしたので、足を運んでみた。
コトバの力を再確認。
多くのヒットを生み出してきたコピーライター仲畑貴志氏。
コピーライターブームの主役の一人だ。
その名前を知らなくとも、下記の作品を読めば、知らない人はいないであろう。
好きだから、あげる。(丸井)
アデランスは誰でしょう?(アデランス)
ココロも満タンに、コスモ石油。(コスモ石油)
そんな中でも1983年に発表されたコピーは、まだ子供であった私にも衝撃だった記憶が鮮明にある。
おしりだって、洗ってほしい。(TOTO)
現代、ここ日本ではウォシュレットは完全に生活必需品だ。
その存在に疑問を持つ日本人はいないはずだ。
ただ、想像してほしい。
「ウォシュレット」が発売されたのが、1980年6月。
当時、まだお尻を洗うという習慣が一般的では、ない。
その必要性と認知度を高めるのが、仲畑氏へのミッションであったことが想像される。
そのミッションは、驚くほどシンプルに15文字で表現し、完結している。
ただ、その15文字を表現するには、多くの時間が割かれたはずだ。
今回の展示イベントは、原稿用紙や本人のコメントもあわせて展示されているため、広告から見えてこない仕事の過程をも感じることができる。
愛とか勇気とか、見えないものを乗せている。(JR九州)
実際の広告クリエイティブ
コピーを記した原稿用紙は、実際に手に触れながら読むことが可能だ。
仲畑貴志氏によるコメント
用紙には、複数の案が書かれているものもあり、思考を垣間見ることが可能だ。
人の「おもしろい!」という反応が原動力。
決して広いとは言えないスペースに、こんな紙が張り出されている。
コピーライターとしての48年間を本人が振り返った文章だ。
この文章は、あらゆる職業で働く人に向けられている気がする。
その仕事は、誰かの喜びを生んでいるはずだ。
GW明けで、やる気スイッチが入らない。
仕事をこなしている自分に嫌気がさしている。
そんな方は、明日にでも、足を運んでみてはいかがだろうか?
きっと「やる気スイッチ」を入れるキッカケとなるはずだ。
■大仲畑展mini〜コピーライター仲畑貴志のぜんぶのいちぶ
会場:Gallery 5610
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-10 5610番館 Tel : 03-3407-5610
地図 http://www.deska.jp/map
入場料:無料
■大仲畑展mini —そのまたmini展—
会場:TCCクラブハウス 渋谷区神宮前5-7-15
(日曜日はお休み、また平日も一部お休みの日があります。
入場料:無料
http://tcc.gr.jp/