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「ジャッソー、ジョヤサ」と男衆の祈願の掛け声が響き渡る「蘇民祭」

約10年前、JR東日本が告知ポスター掲載を拒否したことで話題になった「蘇民祭」。
記憶にある方もいるだろう。

岩手県欧州水沢区にある妙見山黒石寺にて行われる「蘇民祭」は、岩手県内にある胡四王神社・興田神社・伊手熊野神社・金ケ崎町・石鳥谷町五大堂・ 貴峯山光勝寺・黒石寺・早池峰神社で、毎年毎年1月から3月にかけて行われている。

平安時代中期から始まり1,200年以上の歴史があるとされる「蘇民祭」。
国の「選択無形文化財」だ。

そんな特別な祭が無性に体験したくなり、今回、「黒石寺蘇民祭」に足をむけてみた。

新幹線で仙台をすぎ数駅で東北新幹線「水沢江刺駅」に着く。
駅前には、蘇民祭を象徴する「角燈」がお出迎えだ。

夜10時頃、祭場に着くと、すでに「ジャッソー、ジョヤサ」の掛け声が挙がっている。
早暁まで五つの行事が繰り広げられる。

一.裸参り、祈願祭

参加者である男衆が、ふんどし・足袋姿で角燈を持ち、厄災消除・無病息災・家内安全・五穀豊穣を祈願しながら周辺を歩く。
歩道にそれほど多くの雪はないが、足元は凍っているせいか滑る。

途中、瑠璃壺川(山内川)で男達が水垢離し、身を清める。
地元の方に話を聞いたが、今年は、特に気温が低いらしい。
マイナス10度だ。

道中もその掛け声は発するが、特に身清めの時は「ジャッソー、ジョヤサ」と大きな声を発する。

「気合だ!!」
観覧者である私も水しぶきを浴びる。
思わず「ジャッソー、ジョヤサ、ジャッソー、ジョヤサ」声をあげる。
声を出さないではいられないほどの寒さだ。観覧者ですら修行だ。

参加者の一人に声をかけてみたが、「ハンパない」その一言すらも震えで声になっていない。

この体験をした彼らには何も勝てない気がする。
今年、一年のために参加すべきだったかと少し後悔が走る。

裸のままカラダを拭くことも、温まることもなく、妙未堂や本堂の祈願と瑠璃壺川を三周する、すなわち三度水を被る。
男達は、いつの時代もこの祭を通じ、何かを祈り極寒の中、己の身を犠牲にしてまでも冷水でその身を清める。
まるで1,200年タイムスリップしたかのような気持ち感覚すら覚える。

二.柴燈木登り

寒さと歴史の重みに震える中、次行事へと進む。
祭の世話役が、積木をおこない点火。
世話役が積木の上に登り参加者を呼び込む。

つられるように参加者の男衆は、積木を上り、火の粉の中「ジャッソー・ジョヤサ」と叫ぶ。
なお、ジャッソーは、邪正(じゃそう)を意味するらしい。

そんな中、近くの観客の一人の感想が耳に入った。
「まるで煙が邪念と共に空に挙がっていくようだ」
まさしくその様だ。

無心に「ジャッソー・ジョヤサ」と叫ぶそれが掛け声なのか、音楽なのか頭が混乱してくる。
トランス状態と言っても過言ではない。

下帯だけを身に着け、腹のそこから声を出すそんな日常があるだろうか?
鬱憤ばらしも「祭り」の義ではあったのではないかと想いを馳せてみる。

三.別当登り

住職と蘇民袋が守護役・祓人に守られ、ほら貝・太鼓を従えて薬師堂へと登る。
気合の足りない私は、その後、寒さで火から離れられなくなった。

「四.鬼子登り」と「五、蘇民袋争奪戦」と祭は続く。



おわりに

「旅」とは非日常の体験だ。しかしその「旅」は日常を過ごす生活の中に飛び込むだけに過ぎない。
だだ「祭」は非日常だ。祭をテーマに旅をして見るのも楽しいはずだ。
あなたのその代り映えしないと嘆くその日常はきっと誰かの非日常だ。

「ジャッソー」「ジョヤサ」の掛け声は耳から離れることはできない

日常という名の「奇祭」は今日も続く。
「ジャッソー、ジョヤサ・ジャッソー、ジョヤサ」

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