線路は続くどこまでも。… 『大人には、いい休暇をとる、という宿題』を青春18切符で！

「いくつになっても、若かったあの頃の気持ちに戻って旅をしてほしい」
青春18切符には、このような想いが込められている。

JRが発行している特別なチケットで、全国のJR線の普通列車が1日乗り放題となる優れ物。
30年以上もの歴史があり、老若男女問わず、今もなお人気を集めている。

仕事に追われて疲れた……
最近、心にぽっかりと穴が空いたみたい……
そんな想いに悩まされているなら、思い切って列車の旅に出かけてみては？
列車が刻む心地よいリズム、普段見ることのない景色、味わうことのできない空気。
それらすべてが、あなたを一瞬にして包み込んでくれるだろう。

今回は、青春18切符の魅力とオススメの駅舎をまとめてみた。
一人旅の選択肢のひとつに、加えて頂ければ幸いである。

そもそも、青春18切符とはなにか？

冒頭でも述べた通り、青春18切符は「全国のJR線の普通列車が1日乗り放題になるチケット」だ。
1枚で5回まで利用でき、値段は1万1,850円。
1回につき2,370円で何処まででも行けるのだから、結構お得である。
ただ、いつでも利用できるわけではない。

販売・利用期間が定められているため、週末に列車の旅をしよう！と思いつきで直ぐできるわけではない。
また、電車の発着時刻や乗り継ぎの方法など、旅に出る前に入念な計画を練る必要がある。
新幹線で観光地まで、ひとっ飛びというわけにはいかないのだ。
しかし、その煩わしさや難しさも旅の醍醐味。
じっくりと旅について考えることで、思い出に深く刻まれることだろう。

青春18切符の基本 3箇条

其の一：計画は余裕をもって立てる。

青春18切符は、普通列車にしか乗車できない。
そのため、目的地までかかる時間も倍になるし、どんなトラブルが起こるかわからない。
そのため、1本逃しても問題ないような時間・行定設定を行おう。
心に余裕が持てなければ、のんびり列車の旅とは程遠い。
遅れが発生しても、車窓をゆっくり眺められるくらいが丁度良いのだ。

其の二：お得な特典を逃さず使うべし。

お得とはいえ、結構な値段や制約があるチケット。
それ相応の特典も付いている。
例えば、JRグループ加盟ホテルを割引価格で利用できるので、旅行先の宿探しも楽にできるだろう。
また、JRが運営する観光列車にも乗車できるし、湘南新宿ラインなど、普通列車に併設されているグリーン車も追加料金を少々払うだけで利用できる。

其の三：お得だからこそ少し贅沢をすべし。

1日乗り放題×5回となるため、通常よりも格安で旅行ができる。
だからこそ、そのほかの食費や施設利用料金などは遠慮なく使っていこう。
いつもなら新幹線で過ぎ去る土地や観光スポットも、普通列車を利用することでグッと近くなる。
ここぞとばかりに名産品を食べ尽くしたり、施設での体験にチャレンジしたり、思う存分遊んでこそ元が取れるというものだ。

一度は、途中下車したい面白い駅オススメ3選！

【群馬】土合駅（上越線）

@tukun.wが投稿した写真 – 2016 7月 4 4:43午前 PDT

ホームがトンネルの中にある、深度日本一の駅。
地上から486段もの階段をひたすら昇降する必要があり、改札からホームまでおよそ10分かかるそうだ。
同駅は谷川岳の登山口となっており、登山前の準備運動にオススメとのこと。
普通列車で座りっぱなしの足腰に、丁度良いストレッチになるだろう。

【愛媛】下灘駅（予讃線）

Misaki Hanasakiさん(@misaki_999)が投稿した写真 – 2016 7月 3 5:18午後 PDT

かつて、日本で一番海に近い駅だった下灘駅。
ホームに立てば、目の前に広がるのは瀬戸内の広大な海だけ。
気持ち良い風とともに流れてくる潮の香り、波の音、そして青々とした広い空。
夕暮れになれば、海に沈んでいく太陽を見られる絶景スポットなのだ。
青春18切符の広告ポスターに登場したり、各メディアに紹介されたり、一生に一度は訪れたい駅舎である。

【高知】土佐北川駅（土讃線）

@c.natsu57が投稿した写真 – 2014 11月 3 3:17午後 PST

巨大な橋の上に築かれた駅。
穴内川が足下を流れ、ホームからは美しい渓流を眺められる。
もともと別の場所に駅があったが、土砂災害の影響で移転を余儀なくされた。
しかし、地上にスペースがなかったため、止むを得ず橋の上に駅を造ったそうだ。
大自然の真ん中で、思いっきり深呼吸して頂きたい。

おわりに

青春18切符の広告コピーを目にしたことはあるだろうか。

大人には、
いい休暇をとる、
という宿題があります。

山口線「篠目駅」を舞台にした広告。
そのほかにも何点かあるが、特に胸にくるのはこのコピーだ。

社会に出て、汗水流して働いて。
これまでに、あなたは心から楽しいと思える休暇を過ごしただろうか。
仲間を連れ添うもよし、家族と一緒に思い出を作るもよし。
でも、たまには青春18切符を握りしめ、のんびり一人旅に出かけてみてはいかがだろうか。