生きたインテリアと暮らす。 奇怪だからこそ美しい”多肉植物”の数々。
原種だけで15,000種を超える、多肉植物。
奇怪な容姿で奥が深いにもかかわらず、育てやすさがウリの植物として人気を集めている。
どんな色形がいいのか、どのように育つのがよいのか。
それはまるで、生きたインテリアを見つけるような感覚である。
殺風景な部屋にも、緑のひとつでもあれば花開く。
是非とも、今夏はお気に入りのインテリアプランツ=多肉植物と出会ってみてはいかがだろうか。
そのきっかけづくりに、今回ご紹介する多肉植物を参考にして頂ければ幸いである。
ガステリア
名前の由来は、花の形が胃(gaster)に似ていることから。
多肉植物を育てた経験がない人も、雑貨屋なので見かけたことがあるかもしれない。
私達に馴染み深い品種のひとつで、日本では古くから栽培されている。
ひとえにガステリアといえど、その種類は様々。
螺旋状に葉が重なり合って成長する『春鶯囀(しゅんのうでん、Gasteria batesiana)』、幅、長さ、質感が異なった葉を生やす『臥牛(がぎゅう、Gasteria armstorongii)』など。
マニア心をくすぐる容姿で、多肉植物愛好家に人気である。
亀甲竜
アフリカ生まれ、ヤマイモの仲間の多年草。
かなりマニアックな多肉植物で、植物園など、限られた場所でしか見かけられない。
少なくとも、一般の花屋や園芸店での購入は難しいだろう。
特徴は、亀の甲羅にそっくりなイモ。
種から大きくなっていくのだが、4〜5年すると甲羅模様に表面が割れてくる。
そこから竜のように幹が伸びることが、『亀甲竜』という名前の由来だ。
上記写真のように綺麗な亀甲状になるまで、とにかく時間と手間暇が掛かる。
市場であまり出回っていないのはそのため。
しかし、見た目の重厚感や可愛らしさから、育てがいのある多肉植物と言っていいだろう。
ふらりと立ち寄った植物園で見かけたら、思い切って購入してみてはいかがだろうか。
玉つづり
翡翠のような色合いが美しい。
別名・セダムと呼ばれる多肉植物で、北半球の広い範囲に生息。
種類は400種以上にのぼり、多肉植物の代表的な品種のひとつだ。
肉厚な葉は、水分や養分を豊富に蓄えている証。
そのため、乾燥にとても強く、初心者でも育てやすいのもポイントだ。
とにかく生命力の強さがウリで、葉をちぎって土の上に置いておくと新しい芽と根が生えてくる。
永遠と栽培し続けることができるわけだ。
プニプニとした見た目もよろしく、身近い産毛のようなものが生えているので、触り心地も気持ちがよい。
触りすぎてポロリと取れてしまっても……そのまま土の上に放置しておけば、新しい『玉つづり』が生えてくるので安心。
なんとも面白い多肉植物である。
仙女盃
英名・ダドレア。
真っ白な花のような容姿は、多肉植物で最も美しいといっても過言ではない。
生まれは、メキシコのバハ・カリフォルニア州。
もともとは断崖絶壁の岩場に自生しており、その葉は地球上の植物のなかで最も白いといわれている。
その秘密は、自ら吹き出した白い粉。
葉の表面を指で拭ってみると、奥にある鮮やかな緑色が顔を出す。
長い年月をかけて成長し、その生命力はなかなか強い。
乾燥に強く、夏場は水をあげないのが育て方のポイントだ。
花は枯れてしまうが、『仙女盃』はその心配がない。
部屋に緑を置きたい、そんなインテリアのひとつとして重宝できるだろう。
蘇鉄麒麟
ソテツキリンと呼ばれる、希少な多肉植物。
パイナップルのような容姿が特徴的だが、サボテンなどの”ユーフォルビア属”の仲間。
根、茎、葉を傷つけると白い乳液が出てくる(触るとかぶれる恐れあり)。
南アフリカが生まれで、現地ではとてつもなく大きな『蘇鉄麒麟』が自生している。
茎のような部分がボツボツとしているが、これは葉が落ちたあとの状態。
落葉しながら上へ上へと成長していくのだ。
子株も出来るので、群生させることも可能。
いずれにせよ、育てやすい多肉植物なので初心者も安心。
インパクトの大きさから、インテリアプランツにもオススメである。
おわりに
多肉植物と一言でいっても、その種類は様々。
簡単に手に入るものもあれば、原産地の極僅かな場所でしか生息していない、希少価値の高いものまである。
それを手に入れたとき、限定物の洋服やCDを手に入れたような、優越感にも似た快感を得られるだろう。
しかも、多肉植物の良いところは、育て方次第でずっと成長し続けてくれること。
飽きることなく見ていられるのは、まさしく生きている証拠なのだ。
とはいえ、いきなり高価な品種に手を出すのはギャンブルに等しい。
まずは育てやすいところから始めて、多肉植物がいかなるものなのかを確かめることから始めてみよう。



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