休日にふらっと訪れたい「深大寺」…歴史・水・森林を五感で、楽しむ
人気の観光スポット「浅草・浅草寺」。
東京都内で一番古いお寺として、有名だ。
参拝経験がある人は、少なくないはずだ。
しかし、都内で二番目に古いお寺はどこ?
と質問され答えられる人は少ないのではないだろうか。
今回ご紹介する「深大寺」が、それにあたる。
奈良時代の天平5(733)年に開山したと言われている歴史ある寺院だ。
新宿駅から京王線・調布駅で特急で約15分さらに、調布駅からバスで約15分と都心からのアクセスは抜群。
しかし浅草寺と比較し、参拝経験がある人は少ないはずだ。
そんな穴場スポット「深大寺」に、今回ふらりと行ってみた。
お出迎えは、あの妖怪達
バス停を降りると、本堂へと続く参道が目の前に広がっている。
そば屋や土産物屋が立ち並ぶ中、ひときわ目を引くのは“鬼太郎茶屋”だ。
鬼太郎とネズミ男が出迎えてくれる。
それには、理由がある。
『ゲゲゲの鬼太郎』の根底のテーマは自然との共存。
都内でも有数の自然溢れるスポットである深大寺に「水木ワールドを再現」をテーマに造られたのだ。
そんな所以を知っていれば、自ずと深大寺への期待もさらに高まる。
住所:〒182-0017 東京都調布市深大寺元町5-12-8 ※深大寺門前
お問合せ:TEL 042-482-4059 FAX 042-441-1683
営業時間:AM10:00~PM5:00 / 飲食のオーダーストップ PM16:30 / ギャラリー最終入場は16:45
定休日:月曜日(祝祭日の場合は翌日に振替)
http://www.youkai.co.jp/
悠久の時を感じる
境内最古の建物「山門」
参道を先へと進み石段を上ると、目の前に立派な山門が現れる。
その山門は、今から300年以上前の元禄8(1695)年に建立。
慶応元(1865)年に起きた大火事をも免れた境内最古の建物だ。
ドッシリとした佇まいには、思わず畏敬の念すら感じてしまう。
偉容を誇る「本堂」
各所にあしらわれた獅子・象・龍・鳳凰等の彫り物は、江戸情緒すら感じさせる。
なお本堂は、慶応の大火で大正時代に再建、平成15年には大屋根の大改修工事が行われ、瓦屋根が銅板葺本瓦棒葺きになり本堂外観を一新。
国の重要文化財「銅造釈迦如来倚像」
東日本随一の白鳳仏で、7世紀頃に奈良で造られたと言われる釈迦如来倚像。
柔和な微笑を浮かべ、遥か昔から現世で生きる人々を見守ってきたのだろう。
釈迦如来倚像からは、そんな悠久の時を感じることができるはずだ。
清流の音色に耳を済ます
深大寺は、隠れた水の名所でもある。
至るところに湧き水が湧き出している。
その蒸発作用により、天気の良い日は近隣より気温が2℃以上下がることもある。
これからの季節、涼を求めて訪れるのもオススメだ。
山門近くの「不動の滝」。
東京都の名湧き水57選にも選ばれている。
清流に耳をすませば、心身共にリフレッシュするはずだ。
水の名所だからこそ…蕎麦
深大寺、実は蕎麦処としても人気だ。
もともとは、米の生産に向かない地なのでそばを作り、米の代わりにそば粉を寺に納めていたらしい。
そのそば粉でそばを打ち、来客をもてなしたのが深大寺蕎麦のはじまりと伝えられている。
かの三代将軍「徳川家光」が鷹狩りの際に立ち寄り深大寺蕎麦を褒めたという記述も残っている。
湧水
20店以上蕎麦屋が立ち並ぶ深大寺でも評判の高いお店『湧水(ゆうすい)』。
オススメの国産厳選そば粉を使用した九割そば「湧水もりそば」を頂いた。
細目でつるっとしたコシのある喉越し良い麺に、そばの香しい風味。
深大寺に訪れたなら、是非味わって頂きたい逸品だ。
住所:〒182-0017 東京都調布市深大寺元町5-9-1
お問合せ:0424-98-1323
営業時間:10:30-17:00(延長もあり)
日によって延長時間がまちまち。詳しくはお電話を。
定休日:毎週木曜日(例外もあり)
http://www.yusui.co.jp/
風で葉を揺らす、力強い木々
深大寺やその周辺には、たくさんの樹木が植えられており、太陽の暑い日差しを防いでくれる。
森林浴にうってつけの場所なのだ。
生き生きと枝を伸ばし、風で葉を揺らす力強い木々たちからパワーを全身に感じることができるのだ。
都会での生活、日々の仕事に疲れ気味…。
そんなアナタにピッタリの癒しスポットだ。
深大寺近くには、都立唯一の植物園「神代植物公園」もある。
趣の違った草花の世界に足を踏み入れることができる。
ぜひ、こちらにも足を伸ばすことをオススメする。
おわりに
歴史的価値のある建造物や仏像に悠久の時に思いを馳せる。
湧き水や木々・草花に癒しを求める…
季節や気分によって違う楽しみ方ができるのが深大寺の懐の深さだ。
その全てを満喫もよし、一つに焦点を絞ってもよし。
どうエンジョイするのかは、アナタ次第だ。
ふらっと休日に訪れ、のんびりとした時間を過ごしてみてはどうだろう。