親子丼だけじゃない! 男の胃袋を満足させる、関西発祥の”他人丼”を食す。
鶏と卵を合わせて、親子丼。
鶏の代わりに牛肉や豚肉、他の肉を使って卵でとじたものを、他人丼。
関西発祥の食文化のひとつである。
名前の由来は、「鶏と卵は親子だけど、牛肉と卵は他人だ」という単純なもの。
しかし、京都と大阪では、親子丼と並んでかなりメジャーな丼ものだ。
あっさりした味わいの親子丼に対し、牛肉などを使った他人丼はかなりパンチの効いたガッツリ系。
もしかすると、親子丼より夢中になってしまう人がいるかもしれない。
今回は、そんな他人丼を味わえる、オススメのお店をご紹介しよう。
【大阪】他人丼専門店 あか乃
南北に2.6kmに伸びる日本一長い商店街、天神橋筋商店街。
飲食店が凌ぎを削り合っている激戦区に、日本初となる他人丼専門店が2015年9月にOPENした。
最も大事な牛肉は、店長自ら厳選した国産A5・A4ランク。卵は、味と栄養のバランスが絶妙な大分県産。
その他の食材にもこだわりを持ち、関西の国民食・他人丼を間違いなく美味しく頂ける。
オススメの食べ方を提案しており、「①本来の味を食す ②付け合わせの湯葉・大根おろしをのせて食す ③肉吸い(出汁)をかけてお茶漬け風に食す」といった、ひつまぶしにも通じる流儀。
お好み焼き、たこ焼きを食べるなら、他人丼も忘れずに!
住所:〒530-0041 大阪府大阪市北区天神橋5丁目7-20
電話:050-5589-9643
営業時間:11:30~15:00 17:00~21:00
定休日:月曜
http://tabelog.com/osaka/A2701/A270103/27088362/
【大阪】はり重カレーショップ
1919年創業の老舗。
大正~昭和前半の”大大阪時代”と呼ばれた期間に暖簾を掲げた『はり重』。
牛肉専門店で接待などで利用される料亭だが、その隣に開店したのが『はり重 カレーショップ』は比較的リーズナブル。
店名の通り、看板メニューは”ビーフカレー”。
甘口で辛さは控えめ、牛肉の旨味がギュッと濃縮されている。
そんな洋食ものが並ぶなか、ひとつ気になる”ビーフワン”というメニューが。
実はこれ、他人丼のことである。
「牛肉(ビーフ)をお椀(ワン)で提供」したことが由来。
蓋を開ければ、牛肉のドシッとした香りと半熟トロトロの卵がお出迎えしてくれる。
隣接する和食料理店のすき焼きの“割り下”をベースにしているのだから、美味しくないわけがない。
大阪の老舗洋食店を利用する意味でも、訪れてはいかがだろうか。
住所:〒542-0071 大阪府大阪市中央区道頓堀1丁目9-17
電話:06-6213-4736
営業時間:11:00~21:10
定休日:火曜日
http://www.harijyu.co.jp/
【東京】花村
関西発祥の他人丼によく似た丼ものが、東京にもある。
その名も“開花丼”。
牛肉ではなく、豚肉を使った丼ものだ。
これには諸説あるが、関西では昔から農耕や荷車引きに牛を用いられており、牛肉は大きな供給源のひとつだった。
対して、東京では馬が中心で、もともと牛肉を食す文化があまりなかった。
馬肉が食用として根付くわけもなく、代わりに豚肉を使うようになったというわけ。
そんな開花丼だが、都内の蕎麦屋で度々見かけられる。
例えば、東京メトロ「木場駅」にほど近い場所にある『花村』。
軽く炙った油揚げの刻みと揚げ玉が沢山入った濃厚なつゆに付けて頂く、”志の田そば”が看板メニュー。
単品でも良いが、セットでも特に開花丼を味わうことができる。
豚肉と卵の甘みが溶け出した、ふわトロのコンビネーションに舌鼓して頂きたい。
住所:〒135-0016 東京都江東区東陽3丁目5-8
電話:03-3644-4052
営業時間:11:00~15:00 17:00~20:00
定休日:日曜・祝日
http://tabelog.com/tokyo/A1313/A131303/13032129/
おわりに
関西発祥の丼ものは、他にもたくさんある。
例えば、蒲鉾と卵を合わせた“木の葉丼”、甘辛く炊いた油揚げと九条ネギが絶妙のコラボレーションを生む“きつね丼”、きつね丼を卵でとじたタイプで京都限定の“衣笠丼”など、ユニークなものばかり。
天下の台所と呼ばれた大阪を中心に、それぞれの地方でご当地丼ものが生まれたのだ。
他人丼、開花丼を皮切りに、あなたも色んな丼ものを食す旅に出かけてみてはいかがだろうか。