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<オトナの旬食手帳>仏様お墨付きのお粥・七草粥を日常に…栄養価バツグンの『七草粥』の魅力と歴史。

美味しいもの、甘いものをたらふく食べたお正月。
それから数日後の1月7日は、ご存知の通り、『七草粥』を食べる日である。
春の七草を食べて1年の無病息災を願うわけだが、そもそも、七草がどのような意味を持っているのか、なぜ食べられるようになったのか、ご存知だろうか。
今回は、そんな七草粥に焦点を当てて、昔から続く日本の習慣を見つめ直してみよう。
ちなみに、地域によっては旧正月=1月15日に食べる習慣もあるので、1月7日に食べ損ねた人もチャンスだ。

一般常識問題:七草粥の”七草”を答えよ。

セリ、ナズナ、ハコ……ハコベラ……??
果たして、あなたは七草粥の”七草”を詰まることなく全て答えられるだろうか。
ちなみに、筆者は答えられなかった(笑)。
しかし、言い訳のように聞こえるかもしれないが、七草を全て答えられる人はとても少ない。
実際、しらべぇ編集部が全国の20~60代の男女1,353人に「春の七草を知っていますか?」と調査したところ、全部知っていると答えたのはわずか25.8%だった(※)。
だから、答えられなくても恥じることはない。

とはいえ、目指すは“粋”な大人。
七草粥の”春の七草”をサラリと答えられることはもちろん、それぞれの意味や効能を説けるようになっておきたい。

芹(セリ):競り勝つ

鉄分を多く含み、解熱効果、整腸作用、利尿作用、食欲増進、血圧降下作用など。

薺(ナズナ):撫でて汚れを除く

別名でぺんぺん草とも呼ぶ。
余分な水分や老廃物を排泄する利尿作用を持ち、胃腸障害やむくみ改善にも効果。

御形(ゴギョウ):仏体

母子草(ハハコグサ)のことで、風邪予防や喉の痛み、咳・痰の改善に効果。

繁縷(ハコベラ):反映がはびこる

免疫力を高めるビタミンAが豊富で、胃炎にも効果がある。

仏の座(ホトケノザ):仏の安座

小鬼田平子(コオ二タビラコ)を指し、食物繊維が豊富。
食欲増進や歯痛に効果がある。

菘(スズナ):神を呼ぶ鈴

蕪(カブ)のこと。
消化を助ける酵素が多く、胃腸を整える。

蘿蔔(スズシロ):汚れのない清白

大根のこと。
ビタミンCが豊富で、二日酔い、風邪予防、美肌効果などに効果がある。
 
 
以上、春の七草の持つ意味とその効能である。
ざっと見てみて、全体的に”胃腸の改善”に期待できるものばかり。
本来の目的とは若干異なるが、「正月の食べ過ぎ・飲み過ぎで疲れた胃腸を癒すために食べる」と言われるのも納得がいく。
いずれも栄養価がとても高く、がんの予防作用やアンチエイジングの効果もあると考えられている。
ちなみに、春の七草は三十一文字(みそひともじ)からなる短歌に合わせると覚えやすい。
5・7・5・7・7で、「セリ・ナズナ ゴギョウ・ハコベラ ホトケノザ スズナ・スズシロ 春の七草」とリズムと合わせて頭に入れておこう。

七草粥が食べられるようになったワケとは?

なぜ、七草粥を食べるのか?
「ご馳走だらけのお正月に疲れた胃腸を労わるため」と答える方が多いが、少し違う。
本来は、「冬に不足しがちな青菜から栄養を摂り、1年の無病息災を願うため」である。
そんな七草粥の風習の始まりは、平安時代。
清少納言が残した『枕草子』にも登場しており、その歴史はとても長い。

そもそも、七草粥を食べる風習は中国が生まれ。
唐の時代に1月7日を『人日(=人の日)』とし、無病息災を願って7種類の若菜を羹(トロミのある汁物)にして食べる『七種菜羹(ななしゅさいのかん)』という習慣が広まった。
「1月7日にとても難しい”官吏昇進の試験”が行われていて、その日の朝に”立身出世”を願って食べていた」という由来もあるようだが、少なくとも、この七種菜羹が七草粥のルーツであることは間違いない。

この風習が中国から伝わり、日本古来の風習『若菜摘み(年始に若草を摘んで自然の生命力を頂く)』と『小豆粥(15日に食べる粥)』と結びつき、室町時代以降に七草粥へと形を変えていったとされている。
七草の節句=人日の節句が正式に定められたのは、江戸時代。
五節句(七草・桃・端午・七夕・重陽の節句)のひとつに数えられ、今日に至るわけだ。

ちなみに、七草の節句には”粥”で食べることが一般的だが、地方によってはお餅を入れたり、炊き込みご飯にしたり、その伝わり方・食べ方はまちまちである。
いずれにせよ、春の七草を食べることには変わりないので、たまにはお粥ではなく、自分なりに食べ方をアレンジしてみてもいいだろう。

お粥のご利益は、仏教のお墨付き。

粥食には10の功徳がある。
仏教の教説を書きとどめた書物=経典には、お粥の効能やありがたさを『粥有十利(しゅうゆうじり)』として記している。

1.:体の色つやが良くなり
2.:気力を増し
3.寿:長寿となり
4.:食べ過ぎとならず、体が安楽
5.詞清辯(ししょうべん):言葉が清く爽やかになり
6.宿食除(しゅくじきじょ):前に食べた物が残らず胸焼けもせず
7.風除:風邪もひかず
8.飢消:消化よく栄養となって飢えを消し
9.渇消:のどの渇きを止め
10.大小便調適:便通もよい

実際、お寺の朝食や精進料理に取り入れられているお粥。
胃の中をリセットしてくれるので、二日酔いや前日の食べ過ぎの改善や少しの米量で満腹感を得られることからダイエットにも効果がある。
それに七草それぞれの効能が合わさった七草粥は、文句無しの健康食と言えるだろう。
暴飲暴食でついつい胃を痛めつけてしまいがちの方は、1月7日のみならず、仏様お墨付きのお粥・七草粥を日常に取り入れてみてはいかがだろうか。

おわりに

栄養価がとても高い、春の七草。
1月7日以降は手に入れにくいが、その場合は旬の野菜を代用して、遅れての七草の節句を迎えてもいいだろう。
旬の野菜は、その季節に不足しがちな栄養素をたくさん含んでいる。
ネギ、ほうれん草、大根、白菜、三つ葉など、あなたの好きな野菜を使えばOKだ。
「今年も1年、家族みんなが健康的に過ごせますように」と、願いを込めて、お粥やお味噌汁にして頂こう。

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