ハイボール好き必見！あなたを探求の旅へと誘う「スーパーハイボール」の奥深さとは？

1杯目は生ビール、2杯目はハイボール。
コストパフォーマンスの高さから、ジョッキにたっぷり注がれたハイボールを好んでいる人も多いだろう。
しかし、魅力はそれだけに止まらない。
ハイボールの上にさらにウィスキーを加えて香り付けした「スーパーハイボール」という贅沢なアレンジ方法もあるのだ。
とはいえ、何でもかんでもウィスキーを加えればいいというわけではない。
そこには守るべき基本ルールが存在し、組み合わせ次第で美味しくも不味くもなる奥深さがあるのだ。
今回は、スーパーハイボールを自宅で飲む際に抑えておきたい基礎知識と共に、本格的な味わいを楽しめる全国のお店もご紹介しよう。

スーパーハイボールの要となる2つのウィスキー

ハイボールの肝となるウィスキー。
スーパーハイボールの話をする前に、ウィスキーの基本的な知識をお伝えしよう。
まず、ウィスキーの原材料は、大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀物。
これらを発酵・蒸留し、木製の樽で数年〜数十年熟成させる。この熟成期間こそが、独自の香りやまろやかさ、美しい琥珀色を生んでいる。

ウィスキーの種類には2つある。

大麦麦芽だけを原材料とした「モルトウィスキー」、トウモロコシなどの穀類を原材料とした「グレーンウィスキー」。
前者は香り豊かで個性的、後者は爽快感あるすっきりとした味わいだ。
ここれからさらに複数の種類に分けられるが、スーパーハイボールをつくる上での要となるのは複数ある中の2つである。

ブレンデットウィスキー

色々な蒸留所でつくられたモルトとグレーンを混ぜ合わせたもの。
ブレンド専門の職人が、個性の強いモルト原酒と穏やかな風味のグレーン原酒のバランスを考えながら調合していく。
その銘柄に合った味わいで、とても口当たりが良い。
最もポピュラーなウィスキーで、ハイボールのベースとして使われる。

シングルモルトウィスキー

1箇所の蒸留所でつくられたモルト原酒のみでつくられたウィスキー。
ブレンドウィスキーのなかで主要に使われているシングルモルトウィスキーのことを「キーモルト」と呼ぶ。
ブレンドされた銘柄を特徴づけるのは、このキーモルトの特色というわけだ。
以上がウィスキーの基礎知識。
これらを踏まえた上で、スーパーハイボールの作り方を解説しよう。

スーパーハイボールの作り方と魅力とは？

スーパーハイボールの作り方は単純。
ブレンデットウィスキーとソーダを混ぜ合わせてハイボールをつくり、そこにシングルモルトウィスキーを水面に膜をつくるように少量加えるだけである。

たったそれだけの違いだが、ぜひ飲み比べてみてほしい。
最初の一口目の印象が大きく変わっていることに気づくはずだ。
個性の強いシングルモルトウィスキーの香りが口の中いっぱいに広がったあと、バランスのとれたハイボールのサッパリ感を味わせてくれる。
互いの魅力を最大限に高めあい、至高のハイボールとも呼べる1杯が出来上がるのだ。

ポイントは、どのシングルモルトウィスキーを加えるか。

基本的には、ブレンデットウィスキーのベースとなっているシングルモルトウィスキー＝「キーモルト」を加える。
ブレンデットウィスキーの特色を決めているキーモルトなら、相反することはないというわけだ。

例えば・・・
ウィスキー：ホワイトホース　キーモルト：ラガブーリン
ラガブーリンの香りが引き立ち、喉ごしが良いスーパーハイボールになる。
ウィスキー：シーバスリーガル　キーモルト：ストラスアイラ
甘くて飲みやすく、見た目がとても美しい。

難しいのは、どの銘柄のキーモルトを加えるかにルールがないこと。
ブレンデットウィスキーに縁の深いものであれば間違えることはないが、キーモルトによって、風味も色合いも全く異なってくる。
どの組み合わせがおいしいのか、それを探求するのもスーパーハイボールの面白さのひとつだ。
個人のHPで紹介されているのを参考にしてもいいし、BARのマスターに聞いてみるのもいいだろう。

ちなみに、スーパーハイボールは意外にも漫画が発祥。
古谷三敏が描く漫画「BAR レモン・ハート」だと言われている。
冴えない主人公のおじさんがバーテンダーとして腕をふるう内容。
その14巻でハイボールのアレンジとして登場する。
お酒に関する蘊蓄は勉強になるので、興味のある方はぜひ入手してほしい。

スーパーハイボールを楽しめるお店

Bar Orange

京都にあるオーセンティックバー。
豊富なシングルモルトウィスキーを揃えており、ブームになる前からハイボールを提供しているBARである。
あなたにピッタリのシングルモルトウィスキーと出会えると共に、様々なスーパーハイボールと出会えるだろう。
鴨川沿いの落ち着いた雰囲気が、デートの時間をロマンチックに演出してくれるはずだ。

エルミタージュ

大阪・北新地にあるBAR。
フランス語で「隠れ家」を意味する店名の通り、店内にあるのは10席程度。
そのカウンターの前には、たくさんの銘柄が並べられている。
1人でお店を切り盛りしているバーテンダーは、各大会で好成績を残しているほどの腕前。
オススメのカクテルはもちろん、確かなバランスのとれたスーパーハイボールを味わうことができる。

バーボンハウス

バーボンを中心に取り揃えているメキシコ料理屋。
氷がギッシリと詰まったスーパーハイボールを提供している。
フラワートルティーヤやアボカドナチョスなど、フードメニューはどれも本格的で絶品だ。
薄暗い店内にプロジェクターで映し出された映画が雰囲気の良さを高める。
デートにもピッタリのお店だ。

まとめ

ウィスキーもさることながら、スーパーハイボールの奥深さも相当なものだ。
キーモルトを間違えてしまうと、臭みを感じてしまったり、味に物足りなさが出てしまったりする。
そもそも、キーモルトを加えることに適さないハイボールもある。
しかし、この試行錯誤ができることこそ、魅力だといえるだろう。
ウィスキーの数だけ、可能性がある。
あなたもスーパーハイボール探求の旅へと出かけてみてはいかがだろうか。