入院直後はNG、供花は地域のしきたりも……男性も覚えておきたい「贈る花」に関するマナー
人生の門出となる結婚、時にはお葬式やお墓参りに・・・
冠婚葬祭の大切な局面を彩るのはいつも花である。
でも「花」に関するマナーを知らないメンズは意外と多い。
自分の気持ちをきちんと伝え、相手に不快な思いをさせないためにも、TPOに合った花の選び方について復習してみよう。
その一、メッセージには工夫を!開店・開業祝いに贈る花
オープンしたてのレストランの店先や、新しい医院の入り口などでよく見かける開店祝いの花。開業・開店祝いに贈る花としてポピュラーなのは、胡蝶蘭やスタンド花などとにかく豪華なもの。
胡蝶蘭は持ちが良い上に花粉や香りも控えめなので、飲食店や病院に飾るのにも適している。
スタンド花は、お店の雰囲気や贈る相手の好みなどに合わせやすいのがその利点。
相場は平均2万円台だが、親しい相手や取引先にはもう少し値が張るものを用意するなど、相手によって値段を変えよう。
まず贈るときに気を付けたいのはお店のオープンの前日までに贈ること。
忙しいオープン当日に手間を増やさないための配慮である。
そして忘れてはいけないのがメッセージカード。
だれから贈られたものかわからないプレゼントは不気味なもの。
きちんと差出人と相手の名前、そしてお祝いのメッセージを書こう。
特に一般的なフレーズは「祝御開店」「開業祝い」「祈御発展」などだが、悩んだときはどんな時もつかえる「祝」「御祝」で問題なし。
親しい間柄の人に対してはもっとくだけたメッセージを添えるほうが、あたたかみが増すだろう。
ネガティブなことば(例:「厳しいご時世ですが」等)や不吉なことば(例:「燃える」「赤」等火災をイメージさせるもの)は絶対に避けること。
その二、知人の結婚式に贈る花
結婚するふたりの門出を花束で彩るのは女性だけの特権ではない。
男性でも、工夫を凝らした花を贈れば、祝いの気持ちを効果的に伝えられる。
まずは結婚式、披露宴、二人が泊まるホテルなど、贈る場所を選ぼう。
花の種類だが、他のシチュエーションよりも柔軟に考えてよい。
純潔を連想させる白い花を選ぶのがポピュラーだが、花嫁がサムシング・ブルー、なにか青いものを結婚式で身に着けると縁起が良いとされているので、青い花を選ぶのも良いだろう。
その三、入院直後はNG!お見舞いに贈る花
病気やケガのお見舞いでは快復を願う気持ちを込め、相手の気持ちを慮った花を選びたい。
なによりもまずチェックしたいのは、相手の病院が花を受け入れているかどうか。
感染症予防や衛生のために花の持ち込みを断っている、という場合も少なくない。
せっかくの思いを無駄にしないためにも、前もって確認をしよう。
また入院直後に贈るとまるで「病気になるのを待っていた」ような印象を与えるので、しばらく時間が経ってから、がマナー。
肝心の花の選び方だが、療養中はなかなか外の自然を楽しむことができない、ということも多いので、季節感のある花を選ぶのが吉。
イエローやオレンジ、ピンクなど晴れやかな色のものを選ぼう。
このとき気を付けてほしいのは、花鉢を選ばないということ。
花の根が「根付く」、すなわち病気やケガが「寝付く」ことを連想され、縁起が悪いとされている。
また白い花や菊は葬式を連想させるので×。
また香りの強いものや大きいものもほかの患者に迷惑をかけるので選んではならない。
その四、地域のしきたり、事前に連絡……お葬式に贈る花
死者の霊を慰めるためにお葬式で贈る花は「供花」と呼ばれる。
遺族や親族、友人など故人とゆかりのある人や、遠くにいるためにお葬式に参加できない人が贈るもの。予算は1万円前後が定番。
お悔やみの気持ちを込めて、白や紫などトーンの低いものを選びたい。
定番の花は菊で、棘があるバラや香りの強い花などは避けたい。
また連絡なしに贈ると、置く場所などで遺族を困らせてしまうので前もって贈る旨を伝えよう。
供花につける花にはあなたの名前を明記したカード、芳名名札を忘れないように。
また、供花は地域によっては細かいしきたりがあるので、事前にチェックしよう。
その五、持ち帰ってもOK。お墓参りの花
お墓に備える花は「仏花」といい、浄土に咲く花をあらわす。
亡くなって49日を過ぎるまでは、白い花を供えるのが常識。
それを過ぎれば好きな色の花をあげてもよいが、できるだけ淡いトーンのものを選ぶこと。
白、黄、紫が特に望ましい色で、血を思わせる赤い花は禁止。
ほかにも、とげがある花、毒がある花、蔓がないと立てない花、散りやすい花などは避けるべき。
なかなかお墓を訪れる機会を得ることができず、花の手入れができないという人は持ち帰っても大丈夫。
管理の難しさから、中には生花の持ち帰りを勧めている霊園も。
一度備えた花をまた供えるのは失礼にあたるので、持ち帰った花は仏壇に供えず自宅用として飾ろう。
花は人のお祝いや哀悼の気持ちを伝えるメッセージがわりになる大切なもの。
でも花に関するマナーは意外と見落とされがちである。
きちんとルールを踏まえつつ、大切な相手を思いやった花を選ぼう。
http://www.i879.com/hanablog/category/gift/manner/
http://kochoran-oiwai.com/contents/?page_id=739
http://www.eflora.co.jp/f_omimai/manners/
https://www.tear.co.jp/guide/manner/kyoka.html