自己啓発本に2,000円払うのは損? 無料で名著を読んで、読解力と人間力を養おう!
文庫が無料で読めることをご存知だろうか?
インターネットの電子図書館「青空文庫」では、著作権の保護期間が満了した作品を電子化・無料公開している。
いずれも時代を超えて読まれ続けているものばかり。
自己啓発本のなかで、よく引用されるタイトルも見受けられる。
そんな、何10年、何100年と敬われている代表的な名著の一部をご紹介しよう。
青空文庫
1.『 こころ 』 夏目漱石
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100年以上前に口語的文体で数多くの作品を残した夏目漱石。
彼の後期作品となる『こころ』は、教科書でおなじみの作品である。
作品に描かれている人間のエゴイズムと倫理観との葛藤は、大人になったからこそ面白みがわかるというもの。
改めて手に取ってみてはいかがだろうか。
2.『 芋粥 』 芥川龍之介
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短編を数多く残している、芥川龍之介。
そのなかでもオススメしたいのが、『芋粥』である。
うだつあがらない中年貴族が芋粥を飽きるほど食べたいという夢を通して、人間の自由とは何かを探求した作品。
滑稽に思えて、実は奥の深い作品だ。
ちょっとした空き時間に読めるので、古典入門者にも手を出しやすい。
3.『 セロ弾きのゴーシュ 』 宮沢賢治
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数多くの童話や詩を残した、宮沢賢治。
子どもにも大人にも愛され続けている作品ばかりである。
『セロ弾きのゴーシュ』は、ゴーシュと動物たちのおかしなやり取りがテンポよく進んでいく。
本作の読後には心が楽しく温かくなっていることだろう。
子どもと一緒に読むにも適した作品だ。
4.『 学問のすすめ 』 福沢諭吉
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財布に1枚入っていると嬉しい顔。
福沢諭吉の代表作といえば『学問のすすめ』だろう。
旧弊を痛烈に批判し、自由・独立・平等・法治主義、そして学び続けることの重要性を訴えた作品だ。
タイトルの重たさとは相反して、本文では比喩やユーモラスな言い回しが多用されている。
難解な政治思想や概念を平易かつ楽しんで理解することができるので、何度も読み返したい名著である。
5.『 幽霊塔 』 黒岩涙香
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怪奇ロマン小説、『幽霊塔』。
アリス・マリエル・ウィリアムソンの『灰色の女』を基に黒岩涙香が翻案した作品だ。
その後、江戸川乱歩によってさらにリライトされ、宮崎駿による『ルパン三世 カリオストロの城』の元ネタになったというのだから面白い。
6.『「いき」の構造』 九鬼周造
http://www.aozora.gr.jp/cards/000065/files/393_1765.html
最後にIKITOKIのインスピレーションにもなっている作品『「いき」の構造』 も実は、青空文庫で読むことができる。
これを機会に「粋」への理解を本作品で、掘り進めることもオススメだ。
「粋」についてはこちら>>
青空文庫は著作権が切れた本が中心となっているので、それらの中から現代作品の源流を見つけるのも楽しみ方のひとつだ。
名著は読む人の心や人生を豊かにしてくれる。
今回紹介した6作品のほかにも、太宰治の『人間失格』、坂口安吾の『堕落論』、織田作之助の『夫婦善哉』、吉川英治の『三国志』、魯迅の『阿Q正伝』、などなどたくさんの名著が揃えられている。
これらの作品は青空文庫のサイトで直接読むこともできる(文にドラッグもできるので引用する際には便利だ)が、持ち運ぶならKindleに登録されている青空文庫をダウンロードするのが良いだろう。
青空文庫 アクセスランキング
http://www.aozora.gr.jp/access_ranking/
アクセスランキングも公開されているので参考にしてあなたの一冊を見つけて欲しい。