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土地、風土がつくる旨味から日本を知る?!… 日本人として知っておきたい”伝統野菜” 

地方再生、スローフード、ふるさと納税。
地域の盛り上がりを後押しするキーワードが現れるなか、それぞれの土地のブランド品のひとつとして“伝統野菜”が注目されている。
京野菜、加賀野菜、江戸野菜、なにわ野菜、鎌倉野菜……
食べたことがなくても、一度は耳にしたことがある人も多いだろう。
土地、風土の特色が色濃く出ており、見た目だけでなく、味わいも独特。
流通の幅が広がり、都内でも通販で購入できるようになった。
今回は、そんな伝統野菜をより身近に感じられるよう、いくつか豆知識をご紹介しよう。

伝統野菜の定義とは?

全国に根付いている、伝統野菜。
その定義は土地・地域ごとに違いがあり、厳しく定められているところもあれば、シンプルな条件の場所もある。

例えば、石川県の伝統野菜”加賀野菜”。

1.おおむね昭和20年以前から栽培された野菜であること。
2.現在でも生産者や種苗が生産され、金沢で栽培されていること。
3.品種に特徴があり、人名が名前に冠されるなど、地域との深い関わりがあること。

これらのような、厳しい条件が定められている。

一方、新潟県の伝統野菜”上越野菜”の定義は以下の2つ。

1.上越市で古くから栽培されてきていること。
2.一定の出荷量と品質を満たしている特産野菜。

とてもシンプルだ。
なかには、「100年のあいだ栽培されていれば伝統野菜」と認定する場所もある。
全国津々浦々、それぞれの土地で育った野菜。
“伝統”という文字が付いていたら、その背景にある歴史や定義を確認してみるのも一興だろう。

伝統野菜の種類を知る

京野菜

伝統野菜のなかで、最も有名なのは”京野菜”だろうか。
夏はサラダ、冬は鍋料理の定番である”水菜”。
全国的に栽培され、野菜コーナーに何気なく並べられているので忘れがちだが、立派な京野菜、伝統野菜のひとつだ。

そのほか、伝統野菜には下記のような種類・特徴がある。

江戸野菜

かつて、江戸に住む庶民の食生活を支えていたのが”江戸野菜”。
爽やかな辛味が特徴の”練馬大根”が有名だ。

江戸幕府の五代将軍・徳川綱吉が百姓に栽培を命じたのが始まりで、関東ローム層の火山灰に含まれる栄養素をたっぷり含み、1m以上にまで成長する。
沢庵和尚が考案した”沢庵漬け”が馴染み深い。

なにわ野菜

天下の台所と呼ばれた、食の街・大阪。
大いに盛り上がっていた食文化を支えていたのが、地産の伝統野菜たちだ。

江戸〜明治末期に盛んに栽培されていた“天王寺かぶ”が有名。
色白で肉質が細かく、甘みが強い。
お漬物に適しており、大阪を訪れた際のお土産として人気である。

これら以外にも、種類がたくさん。
あなたの住んでいる土地にも、もしかすると伝統野菜があるかもしれない。

おわりに

全国に点在している伝統野菜。
その全てに共通している事柄が2つあるように思う。

1.土地・風土の特色が色濃くでた”独特の旨味”。
2.野菜の風味や食感を活かす、ベストな”調理・加工法”。

例えば、群馬県の伝統野菜”下仁田ねぎ”。
柔らかい肉質と砂糖のような甘さから、焼いて食べるのが一番美味しい。
また、神奈川県の”三浦大根”は、甘みがあって煮くずれしないのが特徴。
そのため、おでんや煮物に適しており、わざわざ仕入れている料亭もあるそうだ。

もし、伝統野菜に触れる機会があるのなら。
是非とも、その土地の風土や文化、歴史にも目を向けてもらいたい。

いや、むしろ、伝統野菜が、その土地を知るきっかけにもなるはずだ。
少なくとも、より美味しく、より味わい深く、伝統野菜を使った料理を楽しめるのは間違いないだろう。

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