マイナス思考や弱みは悪?人の上に立つほど身に付けたいネガティブシンキング
愚痴、文句、泣き言……
そんなネガティブな発言は慎むのが、社会人としてあるべき姿と考えられがちだ。
しかし、本当にそうだろうか?
例えば、いつも平気な顔をして厳格にチームを引っ張る上司。
少々近寄りがたい存在だと思う。
しかし、「疲れた」「早く仕事を終わらせて帰ろう」など、適度に弱みや負の感情を見せてくれると、途端に親しみを覚える。
裏を返せば、仲間を頼っていることにもなるだろう。
自分の弱みを見せることは、チーム力を養うことにも繋がるのだ。
今回は、管理職だからこそ身に付けたいネガティブシンキングのすゝめをご紹介しよう。
負の感情を飲み込まない。
疲れたなぁ……悲しいなぁ……腹が立つなぁ……
そんな負の感情を、あなたはしっかり吐き出しているだろうか。
「ぐちぐち言うのは、男らしくない」と、溜め込んでばかりいないだろうか。
もちろん、いつも愚痴や文句をこぼしているのはよくない。
しかし、適度に、心のなかにくすぶっている気持ちを吐き出さないと、膿のように溜まっていく。
そして、次第には自分の抱く感情の在り処が分からなくなる。
何が好きなのか、何が悲しいのか、何に腹を立てるのか、何が楽しいのか。
我慢して、強がって、感情を飲み込み続けると、自分が分からなくなるのだ。
ネガティブシンキングのFirst Stepは、負の感情を飲み込まない。
負の感情を抱いたら、上司や部下、同僚、奥さん、彼女に吐き出してみよう。
そうすれば、気持ちがスッキリするし、足取り軽く、前を向いて歩けるはずだ。
注意すべき点は、決して感情をぶつけてはいけないこと。
特に、”怒り”の取り扱いには要注意。
単に怒り狂うのは、あなたにも、相手にも、悪い影響をもたらす。
「……ということがあって、怒ってるんだよね」と、あくまでも冷静になって吐き出そう。
「大丈夫」には要注意。
自分は大丈夫。
疲れていても、無理をしていても、強がってしまうのが男の性。
しかし、「大丈夫」という言葉は、相手との間に自ら”隔たり”を作っていることに他ならない。
例えば、見るからに具合が悪そうな人がいるとする。
「大丈夫? 何か手伝おうか」と手を差し伸べてくれたのにも関わらず、迷惑をかけてはいけない、
これしきのことでへばっていてはいけない、という気持ちから「いや、大丈夫、大丈夫!」と突っぱねる。
“男らしい”と感じるかもしれないが、手を差し伸べた本人は良い気分にはなれない。
むしろ、「自分では役不足だったか……」と落ち込ませてしまうかもしれないのだ。
人を頼ること。
それは、男として、人の上に立つ者として、必須のスキルだ。
あなたが大丈夫ではなくなったとき、全てを背負うのではなく、誰かを頼る選択肢も考えよう。
例えば、「直属の上司である、あなたから頼ってもらえた……!」という事実は、部下・後輩のやりがいのひとつになり得るはずだ。
弱みを出す、心を開く。
あなたにとって、理想の上司とはどんな人物だろう。
どんなときも冷静に、強く、逞しく、完璧に仕事をこなす人。
確かに素晴らしいし、目指すべき理想像に相応しいだろう。
しかし、それだけでは足りない。
「頼りたくなる」「付いていきたくなる」と部下に思わせるためには、ふとしたときに、自分の弱みをさらけ出せる人でなければいけないのだ。
自分の弱みは、なんでもいい。
仕事中に「疲れた……」と言ってもいいし、過去の誤ち、失敗を語ってもいいだろう。
「こんなに頼りになる人でも、ときには愚痴をこぼすんだ」という印象を与えられれば、途端に親しみやすい人になれる。
むしろ、文句ひとつ垂れずに何でもかんでもこなしてしまう、そんな上司は関心こそするが、付いていきたいと思うのは難しい。
弱みを出して、心を開く。
そこで初めて、チームとして協力しながら仕事を進められるのだ。
おわりに
人間、誰しも文句のひとつやふたつ持っている。
それをずっと自分の中に溜め込んでいると、いつの間にか負の感情が肥大して、ストレスに押しつぶされ、最悪の場合、心の病に繋がる恐れもあるだろう。
ネガティブな想いが溜まったら、遠慮せずに誰かに吐き出す。
「自分に弱みを見せてくれる」という印象は、より良い人間関係を築く上でも大切になるはずである。