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“怒る”と”叱る”を間違えてない? 管理職が押さえておきたい”叱るコミュニケーション”。

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何でこんなことも出来ないんだ!!!
あなたのオフィスで、そんな罵声を耳にすることはあるだろうか?
上司が声を荒げて怒る光景ほど、気持ちが滅入るものはない。
怒られている本人以外にも、負のオーラはオフィス全体に広がり、しいては生産性の低下も招いてしまう。
多くの管理職が勘違いしているが、必要なのは”怒る”ではなく、”叱る”こと。
部下の話を聴き、ミスを指摘し、次に活かせるように促す。
仕事だけでなく、子育てや人付き合い全般に必要なスキルである。
今回は、怒ると叱るの違いを改めて説明すると共に、”叱るコミュニケーション”のポイントをご紹介しよう。

怒ると叱るは別物である。

まず、怒ると叱るの違いを説明しておこう。

怒るとは……

単純に自分の感情をぶつけているだけ。
ストレスが溜まっていたから、自分にとって気に食わないことがあったから。
そんな、自分勝手な都合で不満を露わにしているだけである。
怒ることは、感情の暴力に等しい行為だと認識しよう。

叱るとは……

正しい道を選んで欲しいという、利他的な行為。
相手にとってプラスになるにはどうすればいいのか。
あくまでも理性的に、相手本位で注意したり、指摘すること。
つまり、叱ることは、相手を育てることと同義である。

現代は、ストレス社会。
どうしてもイライラが溜まってしまうのは当然のこと。
実際、駅員などへの暴力件数は増加傾向にあり、過去5年ほどで3割も増えているという。
とはいえ、自分の感情を他人にぶつけていいわけがない。
大人として感情をコントロールし、怒るのではなく、叱ることを意識しよう。

叱る……その前に大切にしたいこと。

想像してみてほしい。
あまり話したことがなく、よく知りもしない人に、いきなり叱られたとしたら……。
あなたは反省するどころか、びっくりして嫌悪感を抱くのではないだろうか。
部下にとっても、それは同じこと。
上司であるあなたのことを知っていなければ、いくら叱っても意味はないし、ただの雑音くらいにしかならないのだ。

そのため、まずは信頼関係を築くことが先決。
食事の席に誘ってみたり、仕事がひと段落ついたタイミングを見計らって話しかけてみたり。
日頃から部下を観察しつつ、状況や気持ちを察しながら、あなたが”コミュニケーションしやすい人物”であることを伝えていこう。

そうすることで、あなたも部下も、互いのことをよく知ることができ、初めて叱るための”土台”が出来上がる。
また、部下が何か話しかけてきたら、しっかりと耳を傾けてほしい。
その姿勢が、着実に部下との間の絆を深めてくれるはずだ。

叱るコミュニケーションで大切にしたい3つのポイント。

ポイント1:冷静に、論理的に。

部下のミスを指摘する際は、あくまでも論理的に。
原因は何か、何がいけないのか、どうすれば改善できるのか。
部下の言い分に耳を傾け、冷静に分析しながら、叱るように心がけよう。
また、出来るなら、あなたが一方的に話すのではなく、部下と一緒に改善策を考える、改善策を考えさせるという姿勢が大事だ。
自分で考える力を養おう。
叱ることは、相手を育てること。忘れないでほしい。

ポイント2:比較しない、否定しない。

あいつは凄い、あいつを見習え、そんなふうに第3者と比較するのは止めよう。
誰だって、人と比べられるのは嫌だ。
あなただってそうだと思う。
しかも、日頃から「あの人は凄いなぁ」「あいつには負けたくない」と想っている相手と比べられたら、自信喪失なんてものじゃない
やる気を失い、最悪の場合は辞められてしまう。
また、部下の人格否定なんてもってのほか。
最近、問題視されている”パワーハラスメント(パワハラ)”と判断される場合もあるので気をつけよう。
向き合うのは、目の前にいる一人だけ。
相手本位で否定しない。肝に銘じておこう。

ポイント3:叱ったあとのフォローが大事。

当然ながら、叱られると自信はガクッと喪失してしまう。
そのため、部下を叱ったあとのフォローも含めて、叱るコミュニケーションだ。
「こんなミスがあった、もっとこうしたほうがいい、でも、この点に関しては素晴らしい、これからも期待している」といった流れである。
自信を無くされると、生産性も極めて低下する。
部下の優秀な部分はしっかりと評価しつつ、着実に育てていこう。

おわりに

いくら冷静に、冷静に、と念じていても、怒りたくなるのが人間。
そんなときは、まずは深く深呼吸してみよう。
そして、「自分は何に怒っているのか?」と窓の外を眺めながら考えてみる。
そうすることで、次第に冷静になり、感情を上手くコントロールできるだろう。
パワハラを避けるためにも、自分の身を守るためにも、怒りの感情はきちんと操りたい。

人は誰だってミスをする。
それを許し、指摘することは、その人の度量の広さと同義だ。
「この上司になら付いていきたいな」と思ってもらえる「粋な管理職」になるためにも、叱るコミュニケーションをあなたのモノにしてほしい。

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