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また、ぎっくり腰…… そんな腰痛常習者さんにオススメしたい『直立習慣』とは?

イタタッ……
またやってしまった、ぎっくり腰……

PC作業が中心の仕事は、どうしても腰に負担が掛かってしまう。
執筆活動が主となるライターも然り。
座り方を変えたり、PCを置く高さを変えたり、クッションの上にお尻を置いてみたり。
色んな方法を試しているものの、あまり良い効果は得られない。
そんな、しつこい腰痛に悩む人も多いのではないだろうか。
そこでオススメしたいのが『直立習慣』。
座ってダメなら、立つことを習慣にする、という作戦だ。

今回は、ぎっくり腰の要因を復習すると共に「直立習慣の重要性」をご紹介しよう。

ぎっくり腰の”要因”を探ってみる。

ぎっくり腰、正式名は『急性腰痛症』。
腰骨(腰椎)は5個の骨(椎骨)から成り立っており、それを支える椎間板や関節、筋肉、靱帯に、グキッという強い痛みと共に起きる損傷を急性腰痛症と呼ぶ。

その要因は様々。
運動不足で筋肉が衰え……
腹周りの脂肪が溜まり、腰が支えきれない……
寒い時期に凝り固まった筋肉が骨を支えきれない……

十人十色のケースがあり、普段のライフスタイルなどによって異なる。

そして、全てに通ずる要因が、腰に溜まった過度な”疲労”だ。
運動不足、睡眠不足、不摂生な食事、過度なストレス。
これらが積み重なることで、腰に蓄積された疲労が爆発して急性腰痛症が引き起こされる。
デスクワークの人が腰を痛めるのは、長時間座ることで腰への負担・疲労が溜まっている証拠なのだ。

本当は、日々の運動や食生活に気をつけて、少しずつの改善が望ましい。
しかし、現在進行形で悲鳴を上げている腰への負担をどうにか軽くしたい。
……となれば、人間は”直立”するしかないのである。

人は、”直立姿勢”が最も健康的?

座りすぎると、人の寿命は縮まる。
そんな衝撃的の調査結果を2012年に発表した、オーストラリアの研究機関(※1)。

※1 Van der Ploeg HP,Chey T,Korda RJ, et al.Sitting time and all-cause mortality risk in 222,497 Austrarian adults. Arch Intern Med 2012;172:494-500.

45歳以上の約22万人を対象に3年間追跡調査したところ、「1日の座位時間が4時間未満の人に比べて、8時間以上の人は1.15倍、11時間以上の人は1.4倍も総死亡リスクが高まる」という結果になった。
また、『座らない!』の著者トム・ラス氏は、「人間が座って過ごしている時間は1日平均9.3時間。これが、肥満や糖尿病などの健康問題の引き金になっている」と語る(※2)。

※2 トム・ラス(2015)『座らない!―成果を出し続ける人の健康習慣―』 新潮社

身体を休めるために欠かせないと思いきや、過度の座位は私たちにとって害となり得るのだ。
逆に、直立姿勢は健康面に素晴らしい効果をもたらす。
例えば、2013年にBBSと英チェスター大学が”直立姿勢”に関する共同研究を実施(※3)。

1日3時間の直立姿勢を5日連続で勤務時間に取り入れたところ、「座ったままで仕事をするより、平均750kcalを余分に消費。
年間で30,000kcalとなり、1年でフルマラソンを10回走るのと同じカロリー消費を期待できる」
と、嬉しい研究結果を発表してくれている。

そもそも、人は直立姿勢が基本の生き物。
長い年月をかけて二足歩行(直立)へと身体の構造を進化させた。
逆に言えば、人は座るために最適な身体の構造を持っていないことになる。
人としての本来あるべき姿=直立姿勢を日常に多く取り入れることが、腰への負担軽減にも繋がるのである。

今日からでも取り入れたい、オススメの直立習慣!

1.電車の中では座らない。

まず、真っ先に取り入れたいのが、毎日の通勤・通学で使用する電車の中で立つこと。
通勤の往復時間を考えれば、1日の座っている時間短縮に大きく貢献してくれるだろう。
また、ゆらゆらと揺れる電車の中で立つのは、実は立派なエクササイズ。
バランスをとるために、たくさんの筋肉が使われる。
立っているだけで、自然と足腰が鍛えられるというわけだ。
満員電車なら否応なしにも座れないが、例え席が空いたとしても見て見ぬふりをしよう。

2.スタンディングワークを目指してみる。

スタンディングワークとは、その名の通り、立って働くスタイルのこと。
労働環境や健康面の改善を図るため、デンマークなどの北欧各国で広く浸透している。
その方法は、いたって単純。
背骨がピンとした姿勢を保てるよう、机の高さを調節するだけ。
PCを使うのであれば、肘がほぼ直角になるような高さにキーボードを置けばOK。
机の高さが足らなければ、分厚い雑誌を何冊か重ねたりして調整する。
専用のディスクも売られているので、スタンディングワークを続けられそうなら購入してもいいだろう。
腰痛解消、カロリー消費、作業効率の向上など、様々なメリットがある。
オフィスで難しいなら、帰宅後や休日に、PCを使ったり、本を読んだり、勉強をしたりするときに、スタンディングワークを取り入れてほしい。

3.会社で直立ミーティングを実践してみよう。

1日8時間を座ったままで過ごすのは、腰を痛めつけているのと同じ。
先述したスタンディングワークに繋がるが、せめて会議の時間だけでも立って話し合ってみてはいかがだろうか。
実際、北欧ではスタンディングワークが当たり前。
スタッフ同士の意見交換や報告、ミーティングは立って行うことが多いそうだ。
腰にかかる負担はなくなり、仕事の合間に行うちょっとしたエクササイズにもなる。
直立での会話はコミュニケーションをとりやすく、会議のクオリティも自然と向上するだろう。
社内で誰も実践していないのなら、逆にチャンス。
上司、部下にあなたから進言してみよう。
ミーティング時間の短縮という効果もありそうだ。

おわりに

直立習慣は、自分自身との戦いでもある。
座ったほうが楽なのは当たり前。
ぐっと我慢して、立つことを選択するかどうかが、命運の分かれ道である。
とはいえ、長時間立ちっぱなしなのもよくないので注意。
今度は足元に負担が集中するため、「立っているのがキツくなってきたな」と感じたら素直に座位休憩やストレッチを行おう。
腰のダメージは、年齢を重ねるごとに顕著に表れる。
体の要である腰を大切にする習慣を取り入れてみるのは、どうだろう。

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