寝ても、寝ても、寝足りない…… そんなダルい朝を迎えないために習慣化させたい3つの方法
朝の目覚めの良し悪しで、1日のテンションが変わる。
良質な睡眠をとり、寝起きの調子を整えることは、あなたの健康を維持するだけでなく、仕事の生産性の向上にも繋がる。
蔑ろにしがちな睡眠だが、決して軽く捉えてはいけないのだ。
そこで、今回は就寝前に取り入れたい3つの習慣を紹介する。
いずれもベッドの上で気軽に始められるものばかり。
無理なく、少しずつ、あなたの生活に馴染ませてほしい。
そもそも、眠りの質を高めるってどういうこと?
健康を維持するため、人は6~8時間程度の睡眠が必要とされている。
良質な睡眠を短時間でとる“ショートスリーパー”と呼ばれる人もいるが、体質などによって向き不向きがあるので安易に取り入れてはいけない。
基本的に、睡眠の時間はしっかりとることが必要だ。
とはいえ、「6時間以上の睡眠をとったのに眠れた感じがしない……」という人も多いと思う。
その要因は様々だが、一番大きいのは『自律神経』のコントロールが出来ていないこと。
呼吸や体温調節を自動的に行ってくれる、生きる上で欠かせない機能で、さらに“交感神経”と“副交感神経”の2つに分けられる。
交感神経
昼間活動しているとき、不安・恐怖・怒りといったストレスを感じているときに働く。
予想外のことが起きても、体がすぐ対応できる状態にしてくれている。
強弱はあれ、常に緊張した状態であると考えてよい。
副交感神経
リラックスしているとき、ゆったりと落ち着いているときに働く。
昼間の活動による疲労回復や体の修復を行うため、必要に応じてこの状態へと移行する。
ここまで読めばお気づきになると思うが、良質な睡眠をとるためには、就寝時に“副交感神経”の状態でなければいけない。
“交感神経”の緊張状態だと、脳が休めず、体の疲れをとる暇もない。
どんなに長い時間寝たとしても、ボ~ッとしたり、ダルさを感じたりするのはこのためだ。
副交感神経に切り替えるには、色々な手段がある。
ストレッチや半身浴などが挙げられるが、今回はベッドの上で気軽にできる&習慣化できる方法をご紹介しよう。
また、出来れば消灯する1時間ほど前に行いたい。
すぐに副交感神経へと切り替わるわけではないし、あまり時間をとりすぎると逆に脳が覚醒してしまう可能性もあるので注意してほしい。
就寝前に習慣化したいこと その1: 詩集を読む
もちろん、必ずしも詩集にこだわる必要はない。
穏やかな文章に癒されるエッセイ小説でもいいだろう。
大切なのは、「頭を使う内容の本は避ける」、「1話完結型の短く気軽に読める文章量」の2点を意識して選書することだ。
「なぜ? どうして?」と頭を使いすぎると脳がフル回転し、逆にイライラしてしまう。
また、長い時間集中してしまうと交感神経が勝手に動き出す。そのため、区切りをつけやすい構成の本が望ましいというわけだ。
それらを踏まえ、詩集は就寝前の読書にピッタリ。
心地よいリズムと柔らかな文章が、あなたをゆっくり眠りへ誘ってくれるだろう。
今まで読んだことのなかった人も、この機会に試してみてほしい。
ちなみに、就寝前に読書がよいとされる理由は、“近くのもの”を見ることで副交感神経が働くと考えられているから。
また、日常の悩みや不安を忘れられるのも大きい。
とはいえ、先ほど述べたように“熱中しすぎる”のは禁物。
読み進めたくなってもその気持ちをグッと堪え、次の日に楽しみをとっておこう。
寝る前にオススメの詩集
高橋順子編著『日本の現代詩101』新書館(2007)
夏目漱石、谷川俊太郎など、日本文学史を代表する詩を集めたアンソロジー。
どの詩集を読めばいいのか迷う人にオススメ。
あなたのお気に入りの作家や詩人が見つかるはずだ。
三角みづ紀『隣人のいない部屋』思潮社(2013)
スロヴェニア、イタリア、ドイツ……。28日間の旅の風景写真と共に綴られる28の詩が収められている。
美しい写真と言葉が、あなたの心に安らぎをもたらしてくれるだろう。
就寝前に習慣化したいこと その2: 日記を書く
その日のストレスやイライラを、ベッドに持ち込まない。
そのためには、全てを可視化させることが一番。
そこでオススメしたいのが、日記をつけること。
誰に読まれるわけでもないので、上手く書こうとする必要はない。
あくまでも、あなたの頭の中に溢れている色んな“思考”を吐き出すことが目的だ。
順天堂大学教授の小林弘幸も、著書『「3行日記」を書くと、なぜ健康的になれるのか?』で、就寝前の日記習慣を勧めている。
ポイントは、
1.今日いちばん失敗したこと
2.今日いちばん感動したこと
3.明日の目標(リスト化する)
という“3行日記”を簡単でいいので手書きでつけること。
内容の良し悪しは気にせず、ゆっくりと丁寧に文章を綴ろう。
頭の中がスッキリし、副交感神経へと自然に移行できる。
また、次の日の予定・目標を可視化することは、スケジュール管理を円滑にし、仕事の生産性を上げることにも繋がるはずだ。
お気に入りの日記にペンを落とし、高ぶっている神経を鎮める。
心と体に平静さを取り戻して、はじめてベッドルームの電気を消すようにしよう。
就寝前に習慣化したいこと その3: ホットワインを飲む
甘くて温かいホットワインは、就寝前にオススメの飲み物だ。
作り方は簡単。
赤ワイン(グリューワインなど)を小鍋に入れ、砂糖やハチミツ、シナモン、グローブ、オレンジュースと一緒に20分ほど弱火でじっくり温める。
その過程でアルコール分が3~5%ほど無くなるので、あまりお酒が得意でない人も美味しく飲むことができる。
生姜や八角、ブラックペッパーなど、お好みの香辛料を入れてもいい。
ホットワインに限らず、温かい飲み物は就寝前に良いとされる。
その理由は、体温が一時的に上がるから。
体がだんだん下がる過程で、交感神経が副交感神経にスムーズに移り変わる。
ちなみに、アルコール飲料に抵抗がある人は、ホットミルクや白湯がオススメ。
無理をしてアルコールを摂取する必要はない。
すでに紹介した『詩集を読む』『日記を書く』を、ホットドリンク片手に実践してみてはいかがだろうか。
おわりに
健康な体を維持するためには、食事・運動・睡眠が大切。
特に睡眠は1日の疲れを癒すために行う、人にとって欠かせない生理現象だ。
より活力ある毎日を送るために、良質な睡眠をとるよう心がけよう。
今回ご紹介した中から、まずは気軽にできることから始めてみてほしい。