その世界に酔いしれたい。 大人の酒・ウィスキーの魅力とその名店リスト
ウィスキーとは何か?
NHK・連続テレビ小説でも話題になったが、その魅力を詳しく説明できる人は少ないと思う。
シングルモルト、バーボン、スコッチ……。
ウィスキーと一言でいっても、その種類や原産国は様々で風味も千差万別である。
普段はハイボールやロックなどで何気なく楽しんでいるお酒だが、味わいに一層の深みを持たせるためにもウィスキーの知識を身につけておこう。
また、世界のウィスキーを気軽に楽しめるお店も合わせてご紹介する。
ウィスキーの仕上がりを左右するのは貯蔵樽!
現存する文献から、ウィスキーはスコットランドで生まれたことは確かである。
原材料は、大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀類。
これらを発酵、蒸留し、木製の樽で熟成させた蒸留酒のことをウィスキーと呼ぶ。
ウィスキーの味を最も左右するのは、意外にも熟成させる「樽」だ。
蒸留したてのウィスキーは、アルコール度数が約70%の無色透明の液体。
これを樽の中で長い年月をかけて熟成させるわけだが、その間に樽材にしみ込んでいる成分が溶け出し、ウィスキーと混ざり合う。
その結果、風味や色合いが変化するのだ。
例えば、「オーク樽(樫や檜でつくられた樽)」で貯蔵すれば、淡い金色とバニラ・ナッツのような甘い香りに。
「シェリー樽(元々はスペイン産白ワインの貯蔵樽)」で貯蔵したものは、ルビーのような深い紅色と熟成した果実のような味わいになる。
また、ウィスキーを熟成させるための樽は、以前何らかのお酒が入っていたものを再利用している場合が多い。
木材に染み付いた成分や香りが、ウィスキーの仕上がりを左右するというわけだ。
ちなみに、世界中を旅しながら何度も繰り返し使用されているベテランの樽もある。
お気に入りの銘柄を見つけたら、原材料や生産地だけでなく、長年眠っていた「樽」の種類に目を向けてみてもいいだろう。
ウィスキーの種類は主に2つ
まず、ウィスキーを蒸留する方法は「単式蒸留器」と「連続式蒸留器」の2つ。
前者は「職人が絶妙な温度調整を行いながらゆっくりと時間をかける」のに対し、後者は「単式の蒸留器が連結している機械で一度に高温で連続蒸留を行う」という違いがある。
その上で、ウィスキーの種類は2つに分けられる。
モルトウィスキー
大麦麦芽のみを原材料に、単式蒸留器でつくられたウィスキー。
スコットランドで主に生産されており、香り豊かで個性的な味わい。
約100カ所の蒸留所があるが、それぞれに特色があり、職人たちはそれを誇りとしている。
このモルトウィスキーのみを原酒としてつくられたものを「シングルモルトウィスキー」と呼んでいる。
グレーンウィスキー
ライ麦やトウモロコシを原材料に、連続式蒸留器でつくられたウィスキー。
爽快ですっきりとした味わいが特徴だが、一般ではあまり流通されていない。
最もポピュラーである「ブレンデットウィスキー」のために生産されることが多く、先に述べたモルトウィスキーと絶妙な加減で調合される。
シングルモルトウィスキーで、その個性の違いを楽しむ。
また、ブレンデットウィスキーで、バランスのとれた口当たりの良さを味わう。種類によって楽しみ方が変わる奥深さがあるのがウィスキーというお酒だ。
世界5大ウィスキーの特色とは?
現在、生産の技術・品質・量が安定している主要産地は世界に5つあり、そこで作られたものは「世界5大ウィスキー」と称されている。
いずれも飲みやすく、ウィスキー初心者には特にオススメだ。
1.スコットランド
呼び名は「スコッチウィスキー」。
ウィスキーの本場で生産量が最も多く、ピート(泥炭)を焚くことで、スモーキーな風味を楽しむことができる。
「ザ・マッカラン」というシングルモルトウィスキーが定番である。
2.アイルランド
呼び名は「アイリッシュウィスキー」。
大麦やライ麦、小麦を原料とし、単式蒸留器で3回蒸留するのが特徴だ。
雑味の少ない、マイルドな味わいのウィスキーが出来上がる。
シュリー樽の芳醇な香りが魅力の「ピュアポットスチル・ウィスキー」がオススメ。
3.アメリカ
呼び名は「バーボンウィスキー」。
TVCMでもよく耳にする、日本に馴染み深いウィスキーではないだろうか。
トウモロコシを主原料とし、内側を焦がした新樽で熟成させることから、力強い風味を味わえる。
4.カナダ
呼び名は「カナディアンウィスキー」。
主原料がライ麦orトウモロコシの2種類ある。
香りが柔らかく、すっと気軽に飲むことができる。
ライ麦のコクが特徴の「ライ・ウィスキー」が有名だ。
5.日本
呼び名は「ジャパニーズウィスキー」。
日本のウィスキーは、サントリー創業者の「鳥井信治郎」が国内初の蒸留所をつくったことから始まる。
現在では、立て続けに国際コンクールの賞を受賞し、世界中に認知されるようになった。
日本人の味覚に合うように個性を抑え、マイルドな味わいになるよう手がけている。
色んなウィスキーを楽しめるお店
あなたのお気に入りの1本を見つけるためにも、世界5大ウィスキーのほかにも色々な銘柄を試してもらいたい。
そこで、世界中のウィスキーを気軽に楽しめるお店を紹介しよう。
リカーズ ハセガワ(本店)
東京駅・八重洲地下街にある酒屋。
シングルモルトウィスキーを約400種類取り揃えており、有料で試飲できる。オススメは、直輸入している台湾のウィスキー「カバラン」。
台湾の山脈が育んだ清浄な原料水からつくられたそれは、アメリカやスコットランドとは違う香味がある。
是非、試してみてほしい。
日比谷BAR WHISKY-S
ウィスキーを楽しみたいけど、どこで飲めばいいか分からない。
そんな迷えるウィスキー初心者を救いたいというコンセプトで生まれた。
サントリーの「山崎蒸溜所」と「日比谷Bar」がコラボレーションしたウィスキー専門店で、本を読みながら大人の時間を嗜むこともできる。
ウィスキーとの相性が抜群な「燻製惣菜」をはじめとした、フードメニューも合わせて味わいたい。
電話:03-5159-8008
営業時間:17:00~23:30(L.O.23:00)
http://www.hibiya-bar.com/whisky-s
Bourbon House ANKI
名古屋・栄にあるバーボンウィスキー専門店。
1,000以上の銘柄を取り扱っており、ショットで楽しむことができる。
ウィスキーの中でも取り分けバーボンが大好きな人にオススメ。
マスターとの会話を楽しみながら、力強いバーボンの魅力に酔いしれてみてはいかがだろうか。
電話番号:052-241-9827
営業時間:月-金: 19:00〜1:00 土-日:20:00〜1:00
http://homepage3.nifty.com/anki/
おわりに
琥珀色の液体、ウィスキー。
産地や原材料の違いから、その土地柄、麦を育んだ大地、作り手の魂をも感じることができる。
ショットバーなどでお気に入りの銘柄を探しながら、ウィスキーの先にある風景に想いを馳せてみるのも、粋な男性の嗜み方ではないだろうか。
何百種類とある銘柄の中からお気に入りの1本を見つけるためにも、ここで紹介した基礎知識をぜひ活かしてもらいたい。