恐怖の先に潜む美しさを…Instagramでみる薄暗いトンネルの姿 5選。

普段、私達はトンネルを訪れる機会がない。
だが、トンネルには「この先は、どうなっているのだろう」という、冒険心に駆られる。
そして、恐怖の先にある美しさを垣間見たとき、人はシャッターを切るのだ。
画像投稿サイト『Instagram』には、そんなトンネルの姿を収めた写真がたくさんある。
今回は、その中から5箇所、とりわけ、歴史的価値の高い場所をご紹介しよう。

1.rikienseiさん

@rikienseiが投稿した写真 – 2016 2月 20 3:35午前 PST

普段は温かく見える間接照明の色も、場所によって表情を変える。
下部にある水たまりが、不気味な雰囲気を引き立てており、正しくトンネルが持つ”恐怖”の一面を撮らえた1枚だ。
このトンネルは『近代土木遺産』に指定されている、歴史的価値のある場所。
神戸市兵庫区に、日本で最初の河川トンネル・湊川隧道として、明治34年（1901）に施工された。
一般向けの公開日が設けてあり、実際に体験することも可能。
また、定期的にトンネル内でクラシックの音を奏でるミニコンサートも催されている。

2.mo_funkyさん

@mo_funkyが投稿した写真 – 2016 2月 3 6:12午前 PST

廃墟写真に通じる、褪せた容姿が美しい。
他のトンネルと同様、冷たい空気が流れ、背筋がゾクッとする雰囲気だ。
こちらは、世界文化遺産に登録されている、『万田坑』の炭鉱トンネル。
熊本県荒尾市と福岡県大牟田市にまたがる三池炭鉱の中心として、日本の産業革命を支えていた場所だ。
映画『るろうに剣心』の撮影現場としても使用されたらしく、明治浪漫の名残や空気感を存分に体感できるはずだ。

3.gamitakaoさん

今日もオレンジトンネル(^_−)−☆ 後で調べてみたら、 有名な心霊スポットらしいです(^_^;) 確かに昼間なのに全然人通りもなかったですが、 撮影に夢中でそれどころではなかったです（笑） #オレンジの世界 #orangeworld #オレンジ好き #オレンジ #オレンジ色 #orange #オレンジ好きな人と繋がりたい #写真好きな人と繋がりたい #写真撮ってる人と繋がりたい #ファインダー越しの私の世界 #東京カメラ部 #instagood #instagram #instagramjapan #OLYMPUS #igersjp #icu_japan #team_jp #follow #beautiful #トンネル #宇津ノ谷 #明治トンネル

サカガミタカオの「オレンジの世界」ORANGE WORLDさん(@gamitakao)が投稿した写真 – 2016 4月 6 9:57午後 PDT

ラスボス感が否めない、真っ赤に染まったトンネル。
何か出てきそうな雰囲気だが、こちらも歴史的価値のある場所だ。
その名も『明治トンネル』。
1874年に掘削工事が始まり、1896年に落盤事故が原因で閉鎖されたものの、1904年に修復。
耐火性のある赤レンガを使用しており、明治トンネルという名に相応しい装いになった。
登録有形文化財に指定。
静岡県・宇津ノ谷峠（うつのやとうげ）にあるので、足を運んでみてはいかがだろうか。

4.hitoshi_watanabe_instagrmさん

@hitoshi_watanabe_instagrmが投稿した写真 – 2016 2月 14 2:17午前 PST

剥げ落ちたレンガが、おどろおどろしい雰囲気を引き立てる。
現代の無機質なコンクリートにはない、どこか生きているような感覚を覚えるトンネルだ。
群馬県安中市にある、アプト式鉄道自体の廃線敷。
横川駅～熊ノ平駅の間の約６kmは遊歩道＝『アプトの道』として整えられており、上記のようなレンガ構造のトンネルが点在している。
国の重要文化財である旧丸山変電所をはじめとした3つの橋梁もあり、見応えは十分。
背中がゾクッとするトンネルの雰囲気と、見事な自然美を、同時に楽しむことができる。

5.pbyhf967さん

shinyaさん(@pbyhf967)が投稿した写真 – 2015 10月 26 7:00午後 PDT

灰色のトンネルを、白黒写真で撮る。
白黒にすることで、天井や側面の褪せた部分が、さらに不気味に感じる1枚だ。
ここは、先述したアプトの道と同じく、旧福知山線が通っていた場所。
昭和61年に廃線して以来、手付かずのまま残っている。
それもそのはず、他の廃トンネルとは違い、旧福知山線廃線跡はハイキングコースとして整えられていない。
入り口付近にはその説明が書かれており、事故があっても責任は取らないと明記されている。
当然、トンネル内には電灯なし。
訪れる際は懐中電灯を持っていかなければいけないほど、昼間でも薄暗い場所なのだ。
恐怖感はさることながら、冒険心を駆り立てられることだろう。

おわりに

美と恐怖の関係性はとても強いと言われている。
例えば、怪物や幽霊は、ただ恐ろしいだけでは成り立たない。
その背景には、心に負った何らかの傷や悲しみが介在しており、それらを映像美として映し出すことで、恐怖感をより引き立てる。
女性や芸術品などに感じているのは、美しさのある一面でしかない。
恐怖という名の美しさもまた、美しさのひとつなのだ。
今回、ご紹介したトンネルもそのひとつ。
徒歩で気軽に歩ける場所もあるので、興味のある人は実際に訪れてもらいたい。
薄暗い、不気味、ひんやりする、そんな一種の”美”を感じられるはずだ。