口下手でも気にしない! より良い人間関係は『傾聴力』から始まる。
話す力よりも、聴く力。
より良い人間関係、より良いコミュニケーションのためには、聴く力は話術よりも重視したい能力である。
ババーーッ!と喋って、場を盛り上げる。
そんな、話術に長けた人があなたの周りにもいるだろう。
人を楽しませる性格が羨ましい、と思うかもしれない。
しかし、話術に長けていることが、裏目に出てしまうことも多々あるのだ。
まずは、人の話に耳を傾ける、傾聴力から。
仕事だけでなく、恋愛、仲間とのつながり、子育てにも役立つスキルになり得るだろう。
話術に長けている必要がない、その理由。
話術に長けている。
それは、笑いを誘い、場を盛り上げ、人を楽しませる能力だ。
しかし、それは、良い面を見ているだけにすぎない。
例えば、1対1で話すとき、弾丸トークで話しまくる人を、あなたはどう思うだろうか。
一時は「面白い!」と笑い転げるだろうが、しばらくすると「疲れた……」「もういいよ……」とお腹いっぱいになるはずだ。
また、営業の仕事に対して、どんなイメージを持つだろう。
自社の製品のウリを矢継ぎ早に話していく…..そんなセールストークを思い浮かべるかもしれないが、それは逆効果。
営業のプロは、逆に自ら喋らない。
まずは、相手(お客様)の気持ち、求めていることにしっかりと耳を傾けた上で、それらを解決する手段として、自社の製品を提案する。
決して、自社の製品を押し売りしないのだ。
逆に、あなた自身が弾丸セールストークを浴びせられたとしよう。
どうだろう、買いたいという気持ちになるわけもなく、何故こんなに必死なんだろう……と怪しく思うはずだ。
もちろん、TV通販など、話術に磨きをかけるべき仕事もある。
しかし、一般的なコミュニケーションを図る上で、話術はそれほどまで重要ではないのだ。
相手の話を尊重し、耳を傾ける。
まず、「聞く」と「聴く」の違いを記しておこう。
聞く:自然に耳に入る。音を耳で感じ取る。
聴く:注意深く(身を入れて)、自ら進んで、耳を傾ける。
どうだろう、同じ読み方でも、その間には雲泥の差がある。
傾聴力とは、相手と会話の内容に、しっかりと向き合うことが基本なのだ。
そのために、まずは自分の姿勢を見直そう。
相手が自分だとしたら、今の自分に話を聞いてもらいたいと思うだろうか。
例えば、全く笑顔がない、腕を組んでムスッとしている、目つきが悪い、服装がだらしない……など、傾聴云々の前に、まずは自身を整える必要がある。
そこで初めて、相手の話を聴く土台に上がれるのだ。
一人の大人として信頼するに値する人物になるため、忘れないでおこう。
傾聴力:押さえておきたい、3つのポイント。
ポイント1:合いの手を入れる。
相手の話に耳を傾ける、だからといって、ひたすら黙って聴くわけにもいかない。
そこで、「はい」「へぇ~」「そうなんですね」といった、合いの手=相づちを適度に入れていく。
もちろん、ワザとらしく、必要以上に盛り込むと逆効果。
相手の息継ぎに合わせて、自然と相づちを入れていこう。
ポイント2:おうむ返しを活用する。
上記の”合いの手”の合間に、おうむ返しも挟んでいく。
おうむ返しとは、相手の話を聴いた上で、「なるほど、○○○ですか……」「それはつまり、○○○というわけですね」と、キーワードを反復したり、言い換えたりしてあげること。
あなたの話をしっかり理解していますよ、興味がありますよ、と伝えるのと同時に、相手が話しやすいように助け舟を出す。
「話を聴かせて頂いている」という姿勢は大事だが、同時に、「話しやすいように助けてあげよう」という思いやりも大切にしたい。
ポイント3:自分の意見・感想を挟まない。
決して侵してはいけない、傾聴者の決まりごとだ。
「それは間違いだ」「もっとこうしたほうがいい」と、否定したり、改善点を述べるのは避けたい。
あくまでも“聴く姿勢”を貫き通そう。
少しでも利己的になってしまうと、たちまち、あなたへの信用はなくなる。
もちろん、「どう思う?」と意見を求められたら、「……かもしれないね」と柔らかく返答しよう。
それも、言葉少なめに。
あくまでも、主役は話し手である。
「相手のためを思って……」と、自分の意見をベラベラと話すのは、全く相手のためになっていない。
それだけは確かだ。
おわりに
人はとにかく“話したがりな”生き物である。
自分のことを語りたくてしょうがない。
しかし、だからこそ、傾聴者が求められる。
話を聴いてくれる人を、世の中は欲している。
つまり、傾聴力に長けている人は、信用に足る人、頼りになる人、という印象を得られるのだ。
話術で相手を惹きつけるのは性格上難しい、それに引け目を感じる必要はない。
自分の意見を挟まず、相づちを入れ、相手の話にじっと耳を傾ける。
そんな傾聴力に磨きをかけてみてはいかがだろうか。